635話 妖精フローラが役に立ってくれるのです。
基本二日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
どうぞよろしくお願いいたします。
「なんとかヨンバーンメの村の方角へ誘導することはできないか?」
俺がそう提案すると女神たちは首を左右に振る。
「近づけばどんどん逃げていくので無理っぽいですっ」
「ふぉふぉふぉ。そうじゃのう。先回りしようにも道はほぼ一直線じゃしのう」
「……解決策……浮かばない……」
今、遠くに見える霊木の苗木は徒歩の速度でどんどん向こうに進んでいるが、俺たちが捕まえようと走り出したら、また苗木も走り出すに違いない。
そんなときだった。
「しばらく行くと道が大きく曲がっています。私が空から近づいて先回りしましょうか」
偵察のために高い空まで飛んでいた妖精のフローラが俺の頭の高さまで降りてくるとそう提案してきたのだ。
「道が曲がっている?」
「そうなのです。大きく左に曲がっていますので斜めに森を突っ切って飛んでいけば苗木より早く先回りできます。それに私ならある程度の霊木の言葉がわかります」
「わかった。お願いする。言葉がわかるならありがたい。説得できれば頼みたい」
俺が頼むとフローラは了解してくれて、空高く舞い上がった。そして森の木々の上まで上昇すると森の斜めに突っ切って高速で飛んでいくのであった。
「フローラがいてくれて助かりましたっ」
「……でも、フローラはどうして苗木の言葉を知っているのかしら? 大精霊の御使いの私でもそんなの知らないのに……」
「ふぉふぉふぉ。実は儂も知らんのう」
「……上位存在である精霊が……知らない言葉を……下位存在である妖精が知っている……なんか変……」
フセルコが言うように確かに精霊にできないことを妖精ができるのは納得しかねる。そこら辺りを実は正体は大精霊メロロロンであるアツメルコに問うてみた。
「ふぉふぉふぉ。……儂は雇われの大精霊じゃからのう。秀子からその辺りの説明を受けていないのじゃ」
なるほど。
確か集子ちゃんは秀子ちゃんに急遽、大精霊メロロロン役を頼まれたと聞いている。なので最低限の知識やスキルしか与えられていない可能性は高い。
なのでとりあえず霊木の言葉を知らないことに納得はできたのであった。
「ま。とりあえずはフローラに賭けてみるしかないか」
「そうですねっ。ちゃんと会話してくれて苗木に納得してもらえれば万々歳ですっ」
ちなみにフローラだが、旅の途中で俺たちの役割や目的のことは十分に話してある。なのでヨンバーンメの村が熱病で悩まされており、その解決に霊木が必要なことは伝えてあるのだ。
俺たちは遠くの視界に苗木を収めながら徒歩で着いていく。そしてしばらくすると苗木の姿が見えなくなった。
どうやらフローラが言っていた曲がり道なのだろう。
俺たちは自然と早足になった。
見失った訳じゃないとはわかっているが、やはり姿が見えないと不安に感じるからだ。
そして俺たちも曲がり角にやって来た。
そして曲がった道の先を見ると遠くに霊木の苗木がいるのが見えた。どうやら立ち止まっているようだ。
そして霊木の周りを妖精がぐるぐると飛び回っているのが見えた。どうやらフローラのようだ。
だが、なにかがおかしい。
「なあ、フローラが増えていないか?」
「そうですねっ。なんだか2人になっている気がしますっ」
「見間違いじゃない?」
「ふぉふぉふぉ。見間違いじゃないのう。儂にも2人いるように見えるのう」
「……妖精が2人……確認……」
どうやら見間違いではないようだ。
なぜだか理由はわからないがフローラが2人に増えたようだ。
霊木を説得する作戦なのです。(`・ω・´)∩
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