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631話 霊木を発見したのです。

基本二日置きの更新(18時)とさせて頂きます。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

「――おおっ! これが霊木だ。これで間違いない」




 顔の前に表示されたウィンドウに、俺が触れた巨樹は間違いなく霊木と記載されている。万病を廃し人々に健康をもたらす幸運の樹木と書かれているのだ。




「やりましたっ。とうとう見つけましたねっ」




「それは良かったんだけど、……どうするの、これ」




 呆れた表情をしてロキが霊木を指さした。

 そうなのだ。

 樹高100メートルはありそうな巨木なのだ。これだと持ち運ぶことは絶対に無理なのである。




「……ふぉふぉふぉ。枝の一部を切って挿し木にするのはどうじゃのう?」




「……挿し木は駄目。……根ごと持ち帰らないとすぐに効果が出ない……」




 確かにアツメルコが言う通り挿し木にするなら枝の先端を切って持ち帰ればいいだろう。だが、フセルコの言う通り根ごと移植しないとおそらく駄目なんだろうな……。




「でも、丸ごと抜くなんて不可能だぞ」




「そうですねっ。それに仮に抜けたとしても、とてもじゃないですがアイテムボックスには入りきれないと思うんですっ」




 そうだ。メグミという通りだろう。

 アイテムボックスの正確な容量はわからないが、まさかこの巨樹まるごと一本入るとはとても思えないのだ。

 それにそもそもこの巨樹を根ごと抜く手段が思いつかない。





 だとするとだ。他の方法を考えなくてはならない。俺は辺りを見回しながらなにか良いアイディアがないかと頭を巡らせるのであった。

 そんなときである。ロキが口を開いて意見を述べるのであった。




「他の霊木を探してみたらどうかしら?」




 なるほど。それは良いアイディアだ。




「ふぉふぉふぉ。なら、もっと小さなサイズで抜くのも持ち運ぶのも簡単な大きさのものが良いのう」




「……手頃な……霊木を……探す……正しい考え……」




 なるほど。

 なにもこの巨樹に拘る必要はないのだ。霊木でありさえすれば良いのだから、もっと手軽なサイズの別のものにすればいいだけなのだ。




「じゃあ、探してみるか」




「そうですねっ。一本一本手で鑑定すればいいだけですっ」




「手分けした方がいいわね」




「ふぉふぉふぉ。魔物もここにはおらんようだしのう」




「……全員で……手分けして……探す……」




 こうして俺たちは全員バラバラになって四方八方に散った。そしてそれぞれが生えている木の一本一本に手で触れながら鑑定して回るのであった。




 そんなこんなで1時間くらい経過した。

 だが、霊木は見つからない。5人ですでに何百本もの木々を鑑定したのだが、一向に見つからないのだ。




 まさか、霊木ってのはあの巨樹1本しか存在しないんだろうか……。

 俺たちの中でそんな気持ちが支配し始めた頃だった。




「あれ? なんかあの木、変ですよっ」




 俺の近くにいたメグミが前方を指さしていた。見ると2本の木が重なっているように見える。手前の木は樹高5メートルほどだが、奥の木は高さが1メートルくらいしかない。だが、それ自体に不思議さは感じられなかった。




「なにが変なんだ? 俺にはただ木が2本生えているようにしか見えないぞ」




「奥の小さな木が動いたように見えたんですっ」




「動いた? 風で枝が揺れたとかじゃないのか?」




「違いますっ。あの小さな木、歩いて手前の木の後ろに隠れたような気がしたんですっ」



「なんだって……?」




 俺は高さ1メートルほどの小さな木をじっと見つめるのであった。


見つけたのはいいのですが……。(`・ω・´)∩


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。

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