626話 運営によるバランス調整なのです。
基本二日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
どうぞよろしくお願いいたします。
そしてしばらく、うむむと唸りながら思案していた秀子ちゃんだが、やがてなにか閃いたようで作業を再開した。
足元の魔法陣にドライバーやスパナを差し込んでなにやら作業をしている。すると変化があった。
一時静止中で仁王立ちしている最強ヒヒの巨体がグググと一回り小さくなったのだ。元の身長が10メートル程度だったのが7メートルくらいになった感じか。
「小さくするよう調整しているのか?」
「うん。小さくすれば全体的な能力が低下するから」
そして秀子ちゃんは更に調整を重ねた。すると最強ヒヒの身長は5メートルほどになった。元の半分の大きさだ。
「ダイキチ。試しに”賢者の斧”で最強ヒヒを攻撃してみて」
そう言って立ち上がった秀子ちゃんは俺に向き直って最強ヒヒを指さす。
俺は秀子ちゃんの意図がわからないままに頷くとヒヒに向かって斧を振り上げた。
「ていっ!」
――ズサッ!
斧を握る右手に十分な手応えが感じられた。ダメージが通った印象だ。だがとてもじゃないが一発で倒せるようなものじゃない。
何十発も打撃を命中させたら倒せそうってイメージだ。
「……う~む。まだまだ強すぎる。もっと調整が必要」
そう言った秀子ちゃんはまた魔法陣にしゃがみ込むと工具を使って調整を始めるのであった。
「なにやってるんですかっ?」
「運営の秀子が登場しちゃってるじゃないの」
「ふぉふぉふぉ。なにかゲーム上に問題発生かのう?」
「……運営による……調整……」
気がつくとメグミ、ロキ、アツメルコ、フセルコが俺の周りに集まって来た。どうやら最強ヒヒの強力な攻撃による大ダメージが収まったようだ。
そして自由に動けるようになったことで集まってきたのだろう。
「手違いで最強ヒヒが強すぎてしまったってことで、秀子ちゃんが直接調整してるんだ」
「なるほどですっ。確かに強かったですよねっ」
「私たちの一斉攻撃に無傷ってあり得ないわよね」
「ふぉふぉふぉ。それにたったの一撃で儂ら全員をノックアウトするのもアレじゃったしのう。納得じゃ」
「……今のままじゃ……どうあっても……倒せる気がしない……」
確かにそうだろう。
女神たちの得意技の一斉攻撃をまったくの無傷で耐えて、逆にヒヒはたったの一発の魔法攻撃で女神たちを戦闘不能に追いやったのだ。
秀子ちゃんが言うようにゲームバランスを間違えて終盤の中ボスを今の時点で登場させてしまったのに間違いない。
「みんな来たのね。丁度いい。誰か魔法攻撃をこのヒヒに当てて欲しい」
全員で集まった俺たちに向かって調整を終えた秀子ちゃんがそう発言した。俺たちは互いに顔を見合わす。
「魔法攻撃って言うんだから俺は除外だな。それにアツメルコの硬貨弾きも物理攻撃なので俺と同じく除外だろう」
「ふぉふぉふぉ。そうじゃのう。メグミ、ロキ、フセルコの誰かじゃのう」
俺とアツメルコの発言で、メグミ、ロキ、フセルコの3人は話し合い始めた。だが様子を見ていると自分こそがとの主張のしあいではなく穏便に話を進めているのがわかる。
「――決まりました。私がやってみますっ」
どうやら挑戦するのはメグミに決まったようだ。そして秀子ちゃんが頷くのを見るとメグミは長杖を伸ばして稲妻魔法を発射体勢に入るのであった。
徐々に小型化していくのです。(`・ω・´)∩
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