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625話 運営:遊戯秀子ちゃんが登場したのです。

基本二日置きの更新(18時)とさせて頂きます。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

 俺は改めて最強ヒヒを観察する。

 すると最強ヒヒは微動だにせず突っ立ったままだ。口を開きかけていることからなにか喋ろうとしている最中にも見える。




 そして周囲を見る。

 木々もない廃墟なので枝が揺れているか観察できないのだが、やはり無風状態のようだ。どうやら時が停まっているように感じられるのは間違いない。




 なにがどうしたこうなったのかは一切不明だが、これはチャンスかもしれない。俺は動かない最強ヒヒに攻撃を加えようと一歩を踏み出した。

 そのときだった。




 最強ヒヒの足元に新たな金色の魔法陣が発生したのだ。

 そしてその魔法陣から、いきなりぴょんと誰かが飛び出したのだ。




「……まさか、……秀子ちゃんなのか?」




 そう。それは遊戯の女神であり、このゲーム世界の創造者である遊戯秀子ちゃんだったのだ。黒い野球帽を被り、白いTシャツ姿で下にはデニムのショートパンツを履いている、よく見かける平時の秀子ちゃんの姿だった。




 そしてその秀子ちゃんなのだが、俺たちには見向きもせず静止している最強ヒヒの足元に向かうと俺に背を見せてしゃがみ込んで地面の魔法陣に手を伸ばしている。

 いや、違う。

 腰に巻いた道具入れ袋からドライバーやスパナを取り出している。




「……秀子ちゃん。なにやってんだ?」




 すると屈んだ姿勢のまま首だけ後ろを向けたまま俺を見た。




「手直し」




 意味がわからない。

 なので俺は再度質問をする。




「なんの手直しなんだ?」




 すると秀子ちゃんは立ち上がって俺に向き直った。

 そして無表情のまま口を開く。




「最強ヒヒの手直し」




 まったく意味がわからん。

 なので俺はまた尋ねることになる。




「最強ヒヒのなにを手直しするんだ?」




「ゲームバランスを間違えた」




「……どういう意味だ?」




「最強ヒヒが強すぎだった。この時点でのこの強さの魔物では攻略は無理ゲー」




 ああ。なんとなくわかった。

 どうやら秀子ちゃんがこのイベントのボスとして設置したボスキャラである最強ヒヒが最強過ぎたらしい。




「間違えて強すぎるボスキャラになってしまったってことか?」




「うん。そう。なので設定を変更しに来た」




 どうやら秀子ちゃんは運営としてちゃんとゲーム内を観察しているようだ。そして俺たちが最強ヒヒと戦ったのを見て、手直しに来たようだ。




「訊きたいんだが、この最強ヒヒは本来ならゲームのもっと後半で登場する予定のボスキャラだったのか?」




「うん。そう。魔王城の中ボス」




「……なんてこった」




 それなら今の時点での俺たちでは勝てないはずだ。

 秀子ちゃんが魔改造したこのスピリット・クエストはレベル制RPGではないのでレベルアップでキャラの各パラメーターが向上する仕組みではないのだが、武器や防具をより良い装備にすることでキャラは強くなるルールになっているのだ。




 なので、現在の俺たちの装備ではこの最強ヒヒに元々勝てなかったということか……。




「具体的にはどういう手直しをするんだ?」




「……考えている。かなり弱体化させないと今のダイキチたちでは勝てないから」




 そうして秀子ちゃんは腕組みしながら考え込むのであった。

秀子ちゃんが手直しに来たのです。(`・ω・´)∩


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。

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