622話 古代遺跡があったのです。
基本二日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
どうぞよろしくお願いいたします。
「……はあ、はあ、はあ」
俺はへたり込んで肩で大きく息をしていた。
疲れたのだ。
肉体的にはなにもしていないのだが、精神的に疲労していたのだ。やはり麻痺させられて動けなくなったところに拳骨ゴリラが登場したのが相当に参ったのだ。
だが、結果は助かった。そして今は麻痺も治っている。
「ロキ。助かったよ」
「そうですねっ。今回はロキに助けられましたっ」
「ふぉふぉふぉ。そうじゃのう。助かったのう」
「……ロキ……感謝……」
ロキが拳骨ゴリラとデバフイタチをすべて倒してくれたのだ。なので俺たちは順々に例を述べた。
するとロキが照れるような仕草をする。
「よしてよ。今回は私というよりも機転を効かせてくれたフローラのお陰よ」
「そんな。私はできることが少ないのです。たまたま照明役が代われただけですよ」
そんなフローラはかえって申し訳ないという感じで首を左右に振るのであった。
それから俺達は床に散らばった大量の銀貨を拾うのであった。もちろんアツメルコの集金の魔法でである。
「あっちに道があるな」
俺たちがこの広い空間に入ってきた道とちょうど反対側になる壁に更なる道があるのが見えた。ぽっかりと暗がりの洞窟だった。
「じゃあ、行きましょうっ」
俺たちはその新たな道を進む。先頭は照明役を代わったフローラが務めた。
そして一本道の洞窟をどんどんと進む。
「お? 明かりが見えるぞ」
「そうですねっ。出口でしょうか?」
そうなのだ。
まだ距離はあるのだが、奥に眩しい光が差し込んでいるのだ。
そしてそれは洞窟の出口であった。
出口に到着した俺たちは眩しさと広がる開放感を味わった。
「ふぉふぉふぉ。やっと出たのう」
「……広い……明るい……」
出口は小高い丘の頂上に繋がっていた。なので眼下には広がる風景が見える。そしてそれは森でも草原でもなかった。
「……遺跡みたいだな」
「そうですねっ。建物が全部風化して壊れていますっ」
そうだった。
眼の前に広がるのは真っ白な石造りの古代遺跡だったのだ。ところどころ崩れているが遺跡には外壁があり、左右は1キロ程度、奥も1キロぐらいはある四角い街だったのだ。
街の中央には一段高くなった平らな四角い場所があり、そこには崩れた円形の柱が何本か残っている。
おそらくはもっとたくさんの柱で屋根を支えていたのだろう。
「ふぉふぉふぉ。なにやら神殿の跡のような気がするのう」
「……おそらく……街の中央は神殿だった……」
どうやら俺と同じ感想をみなも持っているようだ。俺も古代ギリシャ神殿のような感じがするなと考えていたからだ。
「たぶん目的地はあの神殿の遺跡だろう」
「そうですねっ。あそこを目指しましょうっ」
そうして俺たちは丘を降り神殿跡へと目指すのであった。
■
古代遺跡に入ると進む速度が遅くなった。
街の跡地ということで大通りがあったので、俺たちはそこを進んだのだが、大通りの左右にあった石造りの建物がすべて崩れており、その破片が道のあちこちに落ちているから歩きにくいのである。
破片は小さいものであれば跨げば大丈夫だが、中には俺たちよりも大きな瓦礫もあって進路を変更しなくてはならない状態だ。
だが遺跡の中では魔物と遭遇することはなくて、ただ歩きにだけ注意していれば問題ない状態である。
「もう少しで街の中央に行けるぞ」
「神殿跡らしき場所ですねっ」
俺は前方を指さす。
するとそこには周囲よりも一段高くなった平らな四角い場所が見えていた。何本もの円柱が残っていた場所だ。
遺跡は廃墟なのです。(`・ω・´)∩
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