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621話 なんと増援が現れてしまったのです。

基本二日置きの更新(18時)とさせて頂きます。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

「……いてて。いてて」




 俺は攻撃を受けていた。もちろん相手はデバフイタチだ。

 デバフイタチが俺の身体に何度も噛みついているのだ。俺自身は動けないので噛まれるままになっている。

 そして痛みこそあるものの、正直小さなイタチに噛まれただけなので全然大したダメージになっていない。

 ただ鬱陶しくて少々痛みがあるだけだ。




 そして周囲から聞こえてくる声を聞くとメグミ、アツメルコ、フセルコも俺と同じようにデバフイタチから攻撃を受けているようで、痛い痛いと騒いでいる。




 正直、ダメージとしてカウントされる被害は被っていない。だが、俺には不安な思いがある。

 今の状態。つまりデバフイタチに麻痺にされて噛まれているだけなのであれば、きっと時間が解決してくれるだろう。

 麻痺は決してずっと続くデバフではない。時間経過とともに解除されるものだからだ。そしてデバフイタチの攻撃はダメージとして計上されない噛みつきだけなので、これ事態は鬱陶しいだけなのだ。




 だが、この状態で別の魔物が登場したらどうなるか、だ。

 俺たちは動けない。そこに強力な攻撃力を持つ魔物がやって来たら、正直、最悪の展開だろう。




 そしてその俺が考えていた最悪がやって来た。




「「「「「ウガーーーーー!」」」」」




 突如、大きな叫び声が空間に鳴り響き、奥の暗がりから見覚えがある身長3メートルはある巨大な魔物が5匹も現れたのだ。




「……げ、拳骨ゴリラか!」




 やばいヤツが現れた。

 あれのパンチは半端ない威力があるのだ。動けない状態の俺たちが一発食らったら即アウトだろう。

 そんなとき離れた距離にいる妖精のフローラの声が聞こえてきた。




「ロキ様。拳骨ゴリラが現れました。勇者様の危機です。照明の役割は私が引き受けますのでロキ様は攻撃をお願いします」




「そんなことできるの? ならお願いするわ」




 見るとフローラはふわふわと宙を浮きながら頭上へと両手を掲げた。するとその先端に眩く光る玉が発生したのだ。

 確かにあれならば照明になるだろう。




「なるほど。大丈夫のようね。ならば私は攻撃に参加するわ。一発で倒さないとならないから慎重に照準を合わせるわね」




 ロキが錫杖を前方に突き出して狙いを定めている。

 だが、俺は気が気じゃない。俺は動けないのだ。だからこそ一歩一歩近づいて来る拳骨ゴリラたちに恐怖を一層感じてしまうのだ。

 それはきっと俺と同じように動けないメグミ、アツメルコ、フセルコも同じだろう。




 そしていよいよ目の前に拳骨ゴリラが迫ってきた。そして振り上げられる拳。俺は強烈な一撃を覚悟した。

 そんなときだった。




「行くわ。――ほにゃら!」




 ロキの錫杖の先端から巨大な炎の玉がいきなり発生した。そして次の瞬間にはその炎弾が5つに分かれ唸りを上げて飛んで来たのである。




 ――ドッガーン!




「「「「ウゲッ……」」」」」




 ロキはさすがに慎重に狙った通りだけあって外さなかった。見事に5匹の拳骨ゴリラに炎弾を命中させたのだ。




 拳骨ゴリラは物理耐性が高いが魔法攻撃には弱い。なので一発命中しただけで致命傷となったようで、光と粒へと変化して地面に銀貨を落とすのであった。




「ついでにデバフイタチも仕留めちゃうわよ」




 ロキは再び錫杖の先から炎弾を発生させて、それをいくつにも分岐させた。そして発射された火の玉は素早く動き回るデバフイタチたちを追尾して確実に仕留めていくのであった。

拳骨ゴリラの登場なのです。(`・ω・´)∩


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。

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