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617話 ゲーム世界内での待ち時間の考察なのです。

基本二日置きの更新(18時)とさせて頂きます。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

「……勇者様一行はどこかに行かれるのですか?」




 俺たちが洞窟に入るでもなくセーブポイントの石柱でなにやら操作しているのに気がついたのだろう、フローラがそう尋ねてきたのだ。




「……う~む。説明が難しいな。……俺たちの希望としてはフローラはここで待っていて欲しいんだが」




 するとフローラは空中で腕組みをして考え顔になった。どうやら俺たちがなにがしたいのかを想像しているようだ。




「――わかりました。勇者様たちは一旦どこかに行かれるのですね?」




「そうなんですっ。私たちはこことは違う外部世界からやって来ているので、ときどき帰らないといけないのですっ」




 メグミがそう補足する。

 するとフローラは納得顔になった。どうやらなにか理解できたようだ。




「なるほど。つまり勇者様たちは勇者様たちが所属する世界が別にあるってことですね。私は大丈夫ですよっ。この石柱には結界が張られているので、ここにいれば魔物に襲われることはありません。なので安心してお帰りください」




 どうやら理解が早くて助かった。フローラは妖精だけあって、ただのNPC住民とは違って別世界の概念があるようだ。

 そしてセーブポイントの石柱に結界があるのであれば、フローラの身は安全だとわかった。




 なので、俺たちはこの場所でログアウトするのであった。




 ■




 一瞬、意識が暗転して気がついたら俺の部屋だった。

 恵ちゃんも呂姫ちゃんも集子ちゃんも臥留子ちゃんもいる。そして謎の卵は光を放っていない。

 どうやら無事に戻れたようだ。時計を見ると午後7時だ。ちゃんと秀子ちゃんの神力が作用している。




「お疲れだな」




「戻って来られましたねっ」




「ちゃんと7時ね。秀子の神力はさすがね」




「ふぉふぉふぉ。じゃあ解散するかのう」




「私は……帰りに……夕食、買って帰る……」




 そして俺たちは解散することにした。呂姫ちゃんと集子ちゃんは俺の部屋の両隣に部屋に戻り、臥留子ちゃんはバスで帰ることになった。ただ宣言通り途中でコンビニに寄って夕食を買って行くらしい。




 そして俺と恵ちゃんだが、冷蔵庫に入っていた昨夜の夕食だった肉じゃがをカレーにアレンジして、それを夕食として食べるのであった。




「フローラちゃんは大丈夫でしょうかねっ?」




「セーブポイントが結界になっているって話だろう? なら、大丈夫じゃないか?」




「そういう意味じゃありませんっ。ひとりで寂しくないかってことですっ。長い時間ひとりぼっちなんですよっ」




 俺はそこでゲーム世界を振り返ってみる。

 するとそこでひとつの仮説が浮かぶのであった。




「……大丈夫なんじゃないか? おそらくだが俺たちがログアウトしている最中はスピリット・クエスト内の時間は停止しているんじゃないか?」




「停止しているんですかっ?」




「ああ。だって俺たちが再ログインしたとき、状態はすべてログアウトする直前のままだろ? 時間が進行することもなくNPCたちはすべて元の状態のままだったろ?」




 すると恵ちゃんは、ハッとした顔になる。なにか気づいたようだ。




「言われてみればそうですっ。再ログインしてもイベントなんかもまったく進行していませんでしたし、村人たちも以前のままでしたっ」




 どうやら俺の推理は正しいようだ。

 そうすると妖精のフローラは長い時間ひとりぼっちでずっと待っているってことはないのだろう。

ゲーム内の時間は停まっているのです。(`・ω・´)∩


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。


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