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614話 妖精のフローラなのです。

基本二日置きの更新(18時)とさせて頂きます。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

 そして小一時間くらい経過した頃だった。

 道は荒れ地から草原に変わっていた。腰よりも少し低い辺りまで草がびっしりと生えている野原だった。

 ただし俺たちは道を歩いているので不自由はない。




「魔物はおろか、小動物一匹とも出会ってないな」




「そうですねっ。ネズミやウサギくらいならいそうなもんですがっ」




 そうだった。

 よく晴れた空。ぽっかりと浮かぶ雲。

 そして周囲に広がる大草原だけがあるだけで動く生き物は一切いないのだ。

 そんなときだった。




「ねえ、あそこに一本だけ大きな木があるわよ」




「ふぉふぉふぉ。そうじゃのう」




「……行ってみよう……」




 そうだった。

 俺たちの進行方向からややそれた場所に見上げるほどの大樹が生えていたのだ。




 そして俺たちはちょうどいい休憩場所として大樹の根本に集まった。そしてそこでアイテムボックスから取り出したお茶とサンドイッチで軽食を摂るのであった。




「ちょうどいい場所だったな」




「そうですねっ。そろそろお腹が空き始めた頃だったので、良かったですっ」




 俺たちは延々と広がる緑の大草原を眺めながらのんびりと食事を済ますのであった。

 そんなときである。




「……ねえ、あなたたちは悪い人じゃないの?」




 そんな声が聞こえてきたのだ。声の感じからして少女のようだ。




「誰かいるのか?」




「どこにいるのでしょうっ?」




 俺たちは立ち上がって周囲をぐるりと捜す。だが人影はどこにもいない。




「よく見たらあなた勇者なのね。それに神官が2人もいる。悪い人たちじゃないわ」




 また声がした。

 その声はどうやら頭上から聞こえたようなので俺は巨樹の幹や枝を捜す。だがなかなか見つからない。




「ああ、いたわ。あなたずいぶんと小柄なのね」




「ふぉふぉふぉ。そうじゃのう。どうやら妖精のようじゃのう」




「……妖精に……間違いない……」




 ロキ、アツメルコ、フセルコたちが指さす先を見ると枝の先の方にちょこんと腰掛ける美少女の姿があった。

 ただし、とても小さい。身長は20センチくらいしかなくて、しかも背中に透けて向こうが見える蝶のような翅があったのだ。




「まあ、俺たちは勇者一行だ。確かに悪人ではないぞ」




「安心してください。いじわるはしませんよ」




 俺とメグミの声を聞いて妖精らしき少女は翅を動かしながらふわふわと降りてきたのであった。




「私は妖精のフローラといいます。勇者様たちのお名前を伺ってもいいですか?」




「ああ、もちろんだ。俺は勇者のダイキチだ」




 そしてメグミ、ロキ、アツメルコ、フセルコたちも次々と自己紹介をするのであった。


突然の妖精の登場なのです。(`・ω・´)∩


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。

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