613話 後味が悪い勝利なのです。
基本二日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
どうぞよろしくお願いいたします。
ちょうど鍔迫り合いのような形になったときだ。
俺は空いている左手でダイキチーナの胸元に手を伸ばしたのだ。そして掴んだ水着を一気に引き寄せたのであった。
するとビキニは外れて俺の手元に握られている。
――ぽろん。
たわわな果実がたゆんと揺れて白日の元に晒されたのだ。大きくて形良い先端はつんと上向きになっていた。
俺は思わずそれに目が釘付けになってしまう。……それも仕方ないだろう。なんと言っても10代半ばの健康な男性なのだ。興味を持つなという方が無理だろう。ましてやダイキチーナは俺自身。罪の意識もそれだけ薄い。
「キャーーーーーーーッ!!」
絹を引き裂くかのような悲鳴が響き渡る。もちろんダイキチーナの叫びだ。
ダイキチーナは斧を落とし左右の手で自分の胸を隠す。だが胸があまりにも大きいので完全には隠しきれていない状態である。
そして顔面は真っ赤で必死に羞恥に耐えている感じだ。
「な、な、なんてことするのよっ!」
両目とも涙目になって俺を睨むダイキチーナ。
俺は努めて平然と答える。
「戦闘力を奪わせてもらった。これでお前は戦えないはずだ」
俺の頭の中に”卑怯”という単語が浮かんだ。確かにこの作戦は卑怯だろう。……だが、俺は勝たなければならないのだ。
だとしたら手段は選べないだろう。それにそもそもだ。湖畔のリゾート気分のビキニ姿でなんかで登場する方も問題だろうだしな。
ところでが、である……。
俺はそこで動きを停めてしまった。右手には”賢者の斧”がある。それでダイキチーナに一撃与えれば俺の勝利は確定だ。
だが、できなかったのである。
……困ったぞ。
なぜならば眼の前にいるのが武器を持たぬ無抵抗の少女だからなのである。しかもよく知っている、と、言うか俺の女体化した姿であるダイキチーナであることも大きい。
そしてダイキチーナは両手で胸を隠しながら涙目で俺を見ているのだ。
そんなときだった。
「……もう、仕方ありませんっ。私がやりますよっ」
すでにメイドたちとの戦闘を終えたのか、メグミが俺の横に立って、そう発言したのである。
「すまん。……頼む」
「わかりましたっ。――ほいっ!」
メグミの長杖の先端から稲妻がほとばしった。そして瞬時にダイキチーナに雷撃が襲う。そして次の瞬間にはダイキチーナの姿は消えて大量の銀貨が落ちているだけだったのである。
「助かった」
「武器を持っていない少女相手に斧を振り下ろすには良心の呵責がありますよねっ。相手が魔物だとわかっていても踏ん切りがつけられないのはわかりますっ」
そう言ってメグミは俺の肩を手でぽんと軽く叩くのであった。
「戦いには勝ったけど勝負に負けたって感じね」
「ふぉふぉふぉ。まあ無理もないのう」
「……相手は……無力な裸の少女……仕方ない」
戦闘を終えた残りの女神たちも俺の周りに集まってきた。すでに事情はわかっているようで俺を慰めてくれる。
俺は良い仲間に恵まれたと感謝するのであった。
■
その後、アツメルコの魔法で大量に地面に落ちている銀貨を集めて回収した。
そして湖畔を去ることにしたのであった。
道は湖を半周する形で更に伸びており、俺たちはゴバーンメの里に依頼されたヒヒの魔物を求めて歩み続けるのであった。
攻撃できなかったのです。(`・ω・´)∩
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