611話 能力は互角なのです。
基本二日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
どうぞよろしくお願いいたします。
なるほど。
強制イベントであるのなら、避けて通れはしないだろうな。
俺は覚悟を決めた。
そしてアイテムボックスから”賢者の斧”を取り出して右手で構える。するとダイキチーナも斧を取り出して構えるのであった。
「……そっちも賢者の斧か」
「私自身があなただもの。当然よ」
そして俺たちはじりっじりっと互いの間合いを図る。ちらりと視線を送るとメグミ、ロキ、アツメルコ、フセルコたちも臨戦態勢を取っていた。どうやら大勢のメイドたちが相手のようだ。
そして戦いの火蓋は切られた。
激しい魔法の衝突音が辺り中に響き渡る。どうやら女神たちとメイドたちの戦闘が始まったようだ。
そして俺とダイキチーナだが、まだ互いに間合いの取り合いを繰り返しており、攻撃は行っていない状態だった。
「……く」
額から汗が滲み出る。隙がないのだ。俺の分身でもあるダイキチーナから付け入る隙がまったく見当たらない。
俺はここで正攻法を諦める。絡め手で挑もうと考えたのだ。
「――拘束の投網!」
俺は左手をダイキチーナに向けて叫んだ。すると左手の先から光る投網が発射させる。無論、捕らえてしまおうと考えたのだ。
だが、俺の目論見は阻まれてしまう。
「――無駄よ。拘束の投網!」
ダイキチーナも拘束の投網を放ったからだ。俺の放った網とダイキチーナの放った網が空中で交差して消滅してしまう。
やはり俺の分身であるダイキチーナは俺と同じ能力を持っているようだ。
だが、俺はここで目を奪われてしまう。
ダイキチーナが激しく腕を動かしたことで、ビキニからはみ出してしまいそうなたわわがたゆんたゆんと揺れてしまい、そこに注目してしまったのだ。
「……っと! 危ない危ない」
俺はとっさに横っ飛びした。ダイキチーナが鋭く賢者の斧を横振りしてきたからだ。
……どうやらダイキチーナが水着姿なのは俺の視線を胸や尻に釘付けにさせるためだろう。なんせ、そのために俺は今危なかったからな。
再び間合いが取れた俺はダイキチーナと対峙する。
そして斧を構えるダイキチーナに隙がないか観察する。すると別のモノが観察できた。真っ白で細い腕と足、こぼれそうな大きな胸、くびれた腰、なだらかな下腹部。
俺が言うのもなんだが完璧な美少女である。
「――てー!」
気合を込めてダイキチーナが打ち込んできた。俺はそれを真正面から受ける。ガキンと硬い音が響き、鍔迫り合いになる。
「力も互角のようだな」
「それはそうよ。どっちも私なのだから」
しばらく力を込めてダイキチーナを押し込もうとした俺だが、向こうも同じように押してくるので硬直状態が続く。
だが、やがて根負けした俺は勢いよく後方へと飛んだ。そのことでまたもや間合いが開く。
「――てい、てい、てい」
今度は俺の方から攻撃を仕掛けた。上からの振り下ろしと左右の横振りだ。だが、すんでのところでひらりと躱されてしまう。動体視力も反応も速い。これはなかなかの強敵だ。
そのときだった。
四方から女神たちが戻ってきたのだ。
「ダイキチさんっ。こちらは終わりましたっ」
「メイドたちの正体は全部魔物だったわよっ」
「ふぉふぉふぉ。銀貨は全部拾ってきたわい」
「……残るは……ダイキチーナだけ……」
そう報告してきたのだ。
なるほど。女神たちは正体は魔物だったメイドたちを全部倒してきたようだ。そしてメイドが魔物だとすると、俺の眼の前のダイキチーナも同じだと考えた方がいいだろう。
視線が釘付けになってしまうのです。(`・ω・´)∩
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