606話 悪知恵ヒヒの登場なのです。
基本二日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
どうぞよろしくお願いいたします。
そしてフセルコのおかげで助かった俺たちは更に森の奥へと道を進む。やがて破壊不能オブジェクトである巨樹の姿が見えなくなり、まばらな木々が生える林へと樹木の生態が変わった。
日差しも十分に入り、木漏れ日が道を照らしてくれる。
「明るくなったな」
「そうですねっ。森を抜けるのかもしれませんっ」
「そんな感じね。……ねえ、そうみたいよ」
「ふぉふぉふぉ。高い木が減ってきたのう」
「……荒れ地が……見える……」
そうだった。
俺たちは森を抜けたのだ。すると視界が開け辺り一面が乾燥した荒れ地になっていたのだ。草は小さく低くまばらにしか生えておらず、乾いた石と土ばかりの土地だった。
だが、道はあるので行くべき方向はわかる。
なので俺たちは緩やかに左右に曲がりながらも奥へと向かう道を歩くのであった。
「魔物どころか生き物の姿が見えないな」
「そうですねっ。砂漠みたいな感じですねっ」
そうなのだ。
ここはまるで砂漠地帯のようだった。生き物が極端に少ない死の土地のように見えてくる。ただし気温は高くないので進むのに不都合はない。
「ふぉふぉふぉ。あそこに平らで大きな岩があるのう。休むのにちょうどいいのう」
「……空腹。……休憩……」
なるほど。
確かにアツメルコが指さした岩は平らで全員が車座になって座るのにちょどいい。それにフセルコがいうように確かに腹も減っているしな。
「よし、じゃあ昼休憩としよう」
「そうですねっ。賛成ですっ」
俺たちは岩に座り食事を取ることにした。
アイテムボックスからおにぎりやサンドイッチ、お茶などを取り出し、思い思いに口にして雑談を交えながらの昼食になるのであった。
■
昼休憩を終えた俺たちは再び道に戻り歩き始める。
視界は360度。なにがあっても発見できる状態だ。
そんなときだった。
「右側からなにかやって来ますっ。群れですねっ。10匹くらいいますっ」
「そうねっ。敵意が感じられるわ。敵ね」
「ふぉふぉふぉ。そうじゃのう。魔物じゃのう」
「……む。……動きが停まった……」
そうだった。
フセルコの言う通りで高速でこちらに接近してきた魔物たちが突然停まったのだ。その距離は50メートルくらいあり、距離があることで姿形の詳細はわからない。
「……サルだよな?」
「そうですねっ。背丈は私たちと同じくらいに見えますっ」
「……表示されたわ。”悪知恵ヒヒ”ね。ヒヒの魔物のようね……」
俺も表示されたウィンドウを見た。すると確かに”悪知恵ヒヒ”となっていた。特徴は凶暴で動きが速いこと、そして――なんと攻撃魔法を使うことだ。
「気をつけろ。悪知恵ヒヒは攻撃魔法を使うぞ!」
今までたくさんの種類の魔物と戦ってきたが攻撃魔法を使う魔物は初めてだ。いったいどんな魔法を使うのかは記載されていないが警戒するには十分だ。
そしてそんなときだった。
固まっていた悪知恵ヒヒたちだったが互いに距離を取り始めたのだ。横一列に10匹が並ぶ。そして両手を振り上げたかと思うと前方に勢いよく振り下ろしたのだ。
するとゴウッと唸りを上げてなにかがこちらに向かってきた。目には見えないが明らかに圧を感じるなにかだ。
「伏せろ!」
嫌な予感がした俺は女神たちに向かって叫んだ。
そして俺だけじゃなく全員が地面に飛び込むかのように伏せるのであった。
するとゴゴウッとなにかが俺たちの背中の上を抜けて行くのがわかった。
恐る恐る頭を上げた俺は背後を見る。すると先程まであった背丈ほどの岩がズタズタに切り裂かれているのが見えたのだ。
「……風の攻撃魔法ですっ!」
「すごい威力ね。岩がズタボロじゃないの……」
俺たちはかなりの強敵に出会ったしまったと理解したのであった。
魔法を使うのです。(`・ω・´)∩
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。




