605話 奇襲を受けたのです。
基本二日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
どうぞよろしくお願いいたします。
そしてメグミ、ロキ、フセルコの3女神たちは身構えた。メグミは長杖をロキは錫杖をフセルコは素手のままだったが、その手を前に差し出した。
「行きますっ。――ほいっ!」
「行くわよ。――ほにゃら!」
「……アイシクル・ランス……」
3女神たちが魔法を発射した。
だが拳骨ゴリラたちは破壊不能オブジェクトである巨樹の幹の向こうに隠れているのだ。なのでこのままでは前と同じで無意味に終わる。
だが、違った。
メグミの稲妻魔法もロキの炎弾魔法もフセルコの氷槍魔法も進路をぐるりと変えたのだ。つまり大きく曲線を描き幹の向こう側に向かったのだ。
――バリバリバリ!
――ドッガーン!
――ザスザスザス!
3つの魔法がそれぞれ別の目標に命中した。幹の向こう側では激しい光と激突が起こる。
「やったか?」
「わかりませんっ。確認しますっ」
そう言ってメグミ、ロキ、フセルコは自分が命中させた幹の向こう側へと向かう。なので俺とアツメルコも着いていく。
「……痕跡がないな。逃げられたか?」
そうなのだ。
メグミたちの魔法の威力からして、魔法耐性が低い拳骨ゴリラたちはおそらく一撃で倒せているはずだ。
そうすると地面には銀貨が落ちているのが当然なのだが、その銀貨が見当たらない。そのことから逃げられて可能性が高いのだ。
そんなときだった。
「「「「「ウガーーーーー!」」」」」
突然に拳骨ゴリラたちの雄叫びが聞こえてきたのだ。
俺は急ぎで左右を見回す。だがその姿は見えない。
「上ですっ!」
メグミの言葉にとっさに頭上を見上げると巨樹の極太の枝から拳骨ゴリラたちが頭から真っ逆さまに飛び降りて来る姿が見えた。
腕を大きく振りかぶっていることからパンチ攻撃をしてくるのだろう。
「退避!」
俺はとっさにその場から移動しようとした。
だが、それは叶わずにガツンとした衝撃とともにぶっ飛ばされてしまったのであった。
「痛ってえ……」
頭をぶん殴られた激痛で身動きが取れない状態でうっすら目を開けると女神たちがあちこちで倒れている姿が目に入った。
メグミ、ロキ、アツメルコがうつ伏せになって地面に伏している。どうやら俺同様に拳骨ゴリラから強烈な一発を食らってしまったようだ。
今の流れを察するに拳骨ゴリラたちは幹の向こう側に隠れたと同時に巨樹に登ったのだろう。それで女神たちの魔法攻撃は不発に終わり、様子を見に来た俺たちを頭上から襲ったのだろうな。
「……アイシクル・ランス……」
唯一攻撃から逃れたと思われるフセルコが反撃する。
なにもない宙から5本の氷槍を瞬時に発生させたかと思うと、すかさず発射させるのが見えるのであった。
――ザスザスザスザスザス!
逃げるまもなく拳骨ゴリラたちの群れ5匹が氷槍に串刺しにされる。
「「「「「ウゲッ……」」」」」
胴体を貫かれた拳骨ゴリラたちは苦悶のうめき声をあげると光の粒になり消滅する。
どうやら俺たちはぎりぎり辛勝できたようだ。
時間経過とともに痛みが収まってきたことから俺は立ち上がりフセルコへ歩み寄る。
「……助かった。フセルコ。……しかしどうやってあのゴリラの攻撃を避けられたんだ?」
そうなのだ。
あれは完全な奇襲だったのだ。その証拠に俺だけでなくメグミ、ロキ、アツメルコも一撃で倒されていたからだ。
「……ん。……ちょうど幹の陰にいたから……見えなかったみたい……」
なるほど。
やつらがいた枝の上から見えない位置に偶然いたようだ。だがその御蔭で俺たちは命拾いをしたのであった。
万事休すだったのです。(`・ω・´)∩
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