598話 魔物の呪いなのです。
基本二日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
どうぞよろしくお願いいたします。
「理由を話してもらうことは可能ですか? 俺たちで手伝えることであればお手伝いしますよ」
俺はそう切り出した。
そうなのだ。このスピリット・クエストでは村人の困りごとはなるべく手伝うのが基本なのだ。
それにゲームじゃなかったとしても、やはり困っている人を放置はできないしな。
見るとどうやら女神たちも俺と同じ考えのようで大きく頷いているのが見えた。
「なんと勇者様にお手伝いいただけるとは……。では、お話しましょう」
マリーさんの説明によると呪いが原因で男性がいなくなったとのことだった。
「どういう呪いなのですかっ?」
メグミが尋ねるとマリーさんは苦渋に満ちた顔になる。
「……この里の住民は元々は男女半々でした。ですが森の奥にいつのまにか棲み着いた魔物の呪いで男性すべてが女性になってしまったのです」
「……魔物。魔物が原因なのね? どうしてわかったのかしら?」
するとマリーさんが説明してくれた。
ある夜、魔物が里に現れてこの里で子供が生まれないようにしてやると宣言したとのことだ。
魔物の真意はわからない。ただし翌朝から男性がすべて女性になってしまったのだ。
「……巨大なヒヒの魔物でした。それ以来もちろん子供が生まれることはなくなったのです」
「酷い話ですっ。激しく抗議しますっ」
そうなのだ。
メグミは子宝の女神だからな。子供が生まれないようにしたヒヒの魔物に対して強い怒りを感じているのも当然だろう。
「そして霊木なのですが……。魔物が棲み着いた森の更に奥にあるのです。なので魔物を倒さないと霊木には近づけないのです」
なんてことだ。
ヨンバーンメの村の高熱ゴホゴホ病は一刻を争う事態なのだが、どうやらまずはこのゴバーンメの里の問題を先に片付けないとならないようだ。
「ならば順番は決まりましたっ」
「そうね。まずはヒヒの魔物を倒しましょう」
「ふぉふぉふぉ。そうじゃのう。そして次に霊木じゃのう」
「ならば行動……開始……」
俺たちは村長のマリーさんにヒヒの魔物討伐を請け負うことを伝えた。するとマリーさんは涙を浮かべて感謝してくれるのであった。
「魔物を倒してくださるのであれば、霊木は好きになさって構いません。どうぞよろしくお願いします」
こうして俺たちはこの夜は村長宅で就寝し、翌朝には魔物討伐に向かうのであった。
■
翌朝、俺たちは食事を済ませると森に向かって行動を開始するのであった。道は細いため馬車は使えない。
なので馬車は里に預かってもらっている。
「……しかし、魔物の理由というか、目的がわからんな」
「子宝根絶の意味ですかっ? 確かになぜそうするのかが不明ですねっ」
「将来的には里を滅ぼすってことかしら? 子供が生まれなければ将来里が滅ぶのは間違いないわ」
「ふぉふぉふぉ。じゃとしても遠回り過ぎる気がするのう」
「……魔物なら……直接……人々を倒してしまえばよいはず……」
そうなのだ。
俺たちがわからないのは魔物の真の目的だ。なぜ住民を女性だけにして子供が生まれないように仕向けたのかが理解できないのだ。
里を滅ぼすのが目的であればフセルコが言う通りに人々を皆殺しにしてしまえばよいだけの話になるだろう。
男性がすべて女性になってしまったのです。(`・ω・´)∩
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