595話 霧の中の集落なのです。
基本二日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
どうぞよろしくお願いいたします。
それから祈る気持ちで馬車に乗った俺たちは泉を去って森の中の一本道を進む。
森の風景はどこも似ているので同じ場所なのか、それとも別の道なのかわからないままに時間だけが過ぎ去って行く。
「ふぉふぉふぉ。開けた場所に出たのう」
アツメルコの発言に俺たちは馬車の窓から周囲の様子を探る。そこは森の中でぽっかりと空いた空間で陽光が差し込んで明るい空間であった。
そこには下草が青々と茂っているちょっとした広場のような場所だったのだ。
「……今までとは違う場所だぞ」
「そうですねっ。泉がありませんっ」
「とうとう迷いの森を抜け出したのね」
「ふぉふぉふぉ。長い道のりじゃった」
「……ようやく……河童から……脱出……」
そうなのだ。
どうやら迷いの森を脱出する手段は悪行河童をひとりひとりが1匹ずつ倒す方法だったようだ。
まったくのノーヒントだったが、フセルコの思いつきが功を奏したようだ。
「フセルコの発想のおかげだな」
「そうですねっ。フセルコ、ナイスですっ」
「そうね。おかげで助かったわ」
「ふぉふぉふぉ。サンキューじゃのう」
「……照れる……」
俺たちが口々に褒めたせいかフセルコは赤くなって俯いてしまうのであった。
■
それから俺たちは到着したこの広場で休憩を済ませると更に森の奥へと馬車を進ませる。奥になればなるほど森は濃くなっていき、木漏れ日などまったく見えない薄暗い状態となった。
だが、さすがに夜ほどは暗くないので馬車は問題なく進んでいる。
そして魔物たちとも幾度となく遭遇し、戦った。
ただ相手はゴブリンやジャイアント・ボア、グレート・ベーアなどだったので特に苦労することもなく各個撃破して終わりだった。
それからしばらく過ぎた頃だった。
森の中の開けた場所に到着したのだ。そこは半径数百メートルはあろうかというぽっかりとした空間だった。
ただ……、視界が効かなかった。
「……う~む。また濃霧だな」
「そうですねっ。また悪行河童が登場しなければいいんですけどっ」
「泉がないから大丈夫じゃないかしら」
そうなのだ。
見える範囲なので断言はできないのだが、地面は一面草原なのだ。なので河童が登場するとは考えにくい。
俺たちはもっと様子を探るために馬車から大地に降り立った。
「ふぉふぉふぉ。風が出てきたのう」
「……霧が……飛ばされる……」
そうだった。
確かに風が拭き始めて霧がだんだんと晴れていくのがわかる。すると今まで見えなかったものが見え始めてきた。
「……あれは家か?」
俺は輪郭からしてそう思える建物らしきものを指さした。
「そうですねっ。家みたいですっ」
「何軒かあるわね」
そうだった。
どうやら俺たちが到着したこの場所は森の中の集落のようだった。
今度は集落なのです。(`・ω・´)∩
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