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587/642

587話 鎧袖一触なのです。

基本二日置きの更新(18時)とさせて頂きます。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

「……土埃だな……」




 そうだった。

 街道の向こうからなにかがこちらに高速で近づいて来るのがわかった。

 なにが近づいて来るのかは不明だが、大量の土埃が舞っていることからそうとうの規模の群れだとわかる。




「思った通りですっ。ゴブリンの群れですよっ」




 気がつけばいつの間にか馬車の屋根に登っていたメグミがそう報告してくれた。確かに屋根の上ならば視界が効くので見やすいだろう。

 ……しかし身軽なのは驚きだ。走っている馬車の壁を登って屋根まで行けるのは単純にすごいと思った。




「ゴブリンなのね? 何匹くらいかしら?」




「ざっと100匹ですねっ。前回と同じくらいですっ」




 ロキの質問にメグミがそう答えた。

 前回も100匹程度の群れと戦って完勝したので問題はない。




「アツメルコ。馬車を停めてくれ。全員降りて戦うぞ」




 俺の指示でアツメルコが馬車を停車させた。そして馬車を守るように俺たちは前方に横一列で並んだ。

 もちろんゴブリンの群れを迎え撃つためだ。




 ゴブリンは知恵が足らない。なので広範囲魔法を警戒して分散して移動することをしない。まとまった状態で全力でこちらに向かって来ているのだ。ならばそれを狙った作戦が望ましいだろう。




「まずは射程の長いメグミ、ロキ、フセルコだな。それぞれ頼むぞ」




「わかりました。――ほいっ!」

「わかったわ。――ほにゃら!」

「……承知。……アイシクル・ランス……」




 遠くまで攻撃できる3女神たちが魔法を放つ。メグミは稲妻魔法、ロキは炎弾魔法、フセルコはアイシクル・ランス、つまり氷の槍だ。




 ――バリバリバリ!

 ――ドッゴーン!」

 ――ヒュンヒュンヒュン!




 それぞれの女神たちから発射された魔法はまだ100メートル以上は先であるゴブリンの群れに正確に着弾した。




「「「「「「ギャギャギャギャ」」」」」




 ゴブリンの群れは大混乱、いや大狂乱を起こしていた。

 メグミたちが魔法を連発したので秒ごとに群れに着弾し、あるゴブリンは稲妻で真っ黒焦げになり、あるゴブリンは炎に包まれて炎上し、あるゴブリンは胸を氷槍で串刺しにされて倒れるのが見える。




 ――バリバリバリ!

 ――ドッゴーン!」

 ――ヒュンヒュンヒュン!




 そしてまた魔法が発射され、正確に着弾を繰り返す。




「だいぶ削ったな」




「そうですねっ。あらかた倒すことはできたと思いますっ」




「残りは10匹もいないんじゃないかしら」




「ふぉふぉふぉ。儂が出るまでもなかったのう」




「……見て……生き残りが逃げる……」




 フセルコが指さす先を見ると這々の体のいう感じで運よく魔法攻撃を喰らわなかったゴブリンたちが踵を返して脱兎のごとく逃げるのが見えた。

 その数は3匹ほど。




「追うか?」




「あれくらい別にほっといてもいいんじゃないでしょうかっ」




「そうね。このまま森を目指しましょうよ」




 見ると女神たち全員が頷いている。

 わずかな生き残りを深追いすることをせずに目的の森へと向かう方が優先すべきだろうな。

相手にならないのです。(`・ω・´)∩


よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。

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