581話 ”天女の和服”なのです。
基本二日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
どうぞよろしくお願いいたします。
「……忘れるところであった。魔王の情報だが、魔王は西の方角に位置する魔王城にいるとのことだ」
国王陛下が魔王についての情報を提供してくれた。
だが、かなり漠然としている内容なので俺は追加情報を得たいと思い尋ねるのであった。
「質問お許しください。西の方角とは具体的にはどの辺りなのでしょうか?」
そうなのだ。
ただ漠然と西と提示されても困るのだ。遠いのか近いのかだけでも教えて欲しいのだ。
「……かなり西に行けば大山脈がある。その辺りとも言われているが、もしかしたら大山脈の向こうの海を超えた先の可能性もあるのだ」
なんとも雲を掴むような話だ。
なので俺は更に質問を重ねたのだが、国王陛下も宰相もそれ以上は知らない様子だった。これはかなり苦労しそうだな。
そう思ったが、ない情報をこれ以上ねだっても仕方ない。
■
それから玉座の間を辞去した俺たちは街に出た。
それは食べ物や消耗品、装備などを購入するためだ。これから本格的な旅に出るのだからしっかり用意したい。
「……あれ、防具屋がありますねっ。ちょっと見ていきますかっ?」
通りを歩いているとメグミが一軒の防具屋を見つけた。なかなか広そうで品揃えも良さそうだ。
「そうだな。入ってみるか」
俺たちはその防具屋に入ってみた。
中は予想した通りに商品が充実していた。棚一面に防具がびっしり展示してあったのだ。
「お。兜があるぞ」
俺は兜の販売コーナーに足を向けた。そこには数多くの兜があった。だが鑑定してみると俺が今装備している”弱者の兜”を上回る品がない。
どうやら、この王都という大都会でも俺の装備している兜を超えるものはないようだ。
するとそれは俺だけじゃなかったようで、メグミ、ロキ、アツメルコたちも首を横に振るのが見えた。
話を聞くとどうやら俺と同様で今の装備を上回る防具がないようなのだ。
「……あの和服……欲しい……かも……」
フセルコがそう俺たちに告げてきた。見ると純白の着物が衣紋掛けに掛けられて展示されているのであった。
「”天女の和服”か……。お、ステータスがすごいな」
「そうですねっ。防御力が高いですっ」
「そうね。魔力も上昇するみたいね」
「ふぉふぉふぉ。フセルコの今の装備より上じゃのう」
そうなのだ。
フセルコが今着ている和服も王族の装備だけあってそれなりに数値は高いのだが、この防具屋で販売されているこの”天女の和服”はそれよりもずっと強力なのだ。
「価格は2万Sか。……買えない価格じゃないし、買うか」
「……いいの?……」
フセルコが遠慮がちに尋ねてくるが、俺たちは大きく頷いた。これから魔王討伐に向かうのだ。強力な防具は絶対必須なのだ。
そして店員に声をかけ、俺たちは”天女の和服”を購入した。もちろんすぐにフセルコに装備させた。
そして今まで着ていた服はアイテムボックスに収納した。”天女の和服”の方が防御力は高いのだが、礼服としてきちんとしているのは今までフセルコが着ていた和服の方がふさわしいからだ。
なにかの機会でパーティとかがあった場合には着用することもあるだろうからな。
フセルコの装備が買えたのです。(`・ω・´)∩
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。




