578話 フセルコ王女の帰還なのです。
基本二日置きの更新(18時)とさせて頂きます。
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それから沿道に集まった大勢の人たちに歓迎されて俺たちの馬車は王都の奥へ奥へと進んだ。
やがて通りが切れて眼の前にいくつもの尖塔を持つ白亜の巨城が聳え立っているのが見えたのだ。
「……あれが……王城……」
前方を指さしてフセルコがつぶやく。
確かにあの大きさ豪華さだと王都の中心の城としてふさわしいな。
「開門!」
すでに情報は伝わっているようで門番がそう叫ぶのが聞こえた。すると巨大で重そうな門が開き、俺たちの馬車は城内へと乗り入れるのであった。
■
城の入口の車寄せに到着した馬車を俺たちは降りた。すると大勢の近衛騎士たち、執事たち、メイドたちが両脇に一列に並び俺たち、……いや、この場合はフセルコ第一王女殿下だな……を出迎えるのであった。
そして俺たちは案内を受けながら国王陛下が待つ玉座の間へと向かうのであった。
「おお。フセルコよ。よくぞ無事に戻った」
すさまじく天井が高く広くて豪華な空間が玉座の間だった。
そこでは国王陛下が宝石を散りばめた豪華な玉座に座り俺たちを迎えてくれたのだ。
「……父上。……ワタクシは……無事に戻りました……」
ここで俺は違和感を覚える。
フセルコは着物姿なのに王様は西洋の国王が身につける衣装なのだ。まあ、それの方が王様らしいし、このゲーム世界の世界観に合っている。フセルコの和服姿が異様なのだ。
ま、それでもゲームとしては問題ないので俺は余計なことは口にしないでおこうと考えるのであった。
「聞けば、フセルコを救ったのは勇者一行とのこと。礼を言うぞ」
「もったいないお言葉です。私が勇者のダイキチと申します」
俺は役割を演じながら王様に自己紹介した。そして続いて従者のメグミ。ロキとアツメルコも自己紹介をする。ちなみにロキとアツメルコの職業は神官と名乗った。
まあ、着ている緩やかな貫頭衣からして神官に見えるからな。
「今宵はフセルコの帰還祝いを行う。勇者一行もぜひ参加して欲しい」
王様の一言でこの日はご馳走にありつけることとなった。
そしてそれまでの間、俺たちは城内を見学したりして過ごすのであった。
■
そして帰還祝いの晩餐会は終わった。
俺たちは初めて見る料理を大いに楽しんだのであった。
その夜。
俺たちはひとつの部屋に集まっていた。
集まったのはメグミ、ロキ、アツメルコである。そしてここは俺にあてがわれた部屋で天蓋のあるベッドがでんと存在する豪華で広い部屋だった。
「この後はどうするんですかっ?」
「……そうだな。ゲームシナリオ的には王様から魔王討伐を依頼されるはずなのだが、晩餐会ではなにも言われなかったな」
「そうね。フセルコを救助したお礼は言われたけど、今後の勇者一行に関してはなにもなかったわね」
「ふぉふぉふぉ。明日になにか言われるかもしれんのう。……ところでフセルコはどうするんじゃのう?」
そうなのだ。
王女として帰還したフセルコは今は王様のところにいるのだろう。晩餐会の後は一度も会っていないのだ。
「王族だしな。このまま城に残るのが普通だろうな」
「そうですねっ。危険な目に遭ったのに王族がまた旅に出るなんてことはないでしょうねっ」
そんなときだった。
俺の部屋の分厚い扉にノックの音が響いたのであった。
城へ帰ってきたのです。(`・ω・´)∩
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