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0-終焉ノ砌-2
0-終焉ノ砌-2
「どうしたよ、ジェイハン。
こんな怖ぇ顔してよ」
ウィルバーはそう言って指で目の端を吊り上げて
曇りを宿す彼の蒼い瞳を覗き込んだ。
「昔のことを、思い出してな・・・」
「あぁ、そうだったな。
お前がいた街
アレに襲われたんだよな」
―――――今更同情するわけじゃねぇけどな。
黒く、鈍い輝きを放つ両手剣を砥石で磨きながら呟く。
「生き残ったのは妹と
住民わずか十数名だけだった。
当時、騎士団の隊長を務めていた親父も、
お袋も兄貴も皆、奴に殺されたんだ」
小石にでも乗り上げたか。
ゴトン、と馬車が揺れる。
「街にいた騎士団、流れの狩人どもも、
普段大口叩いてるわりにはあのザマさ。
笑っちまうよ、まったく」
ジェイハンは拳を握り締め、
徐々に黒く濁っていく空を睨み付けた。
決して忘れることはできない、
10年前の忌まわしい記憶が鮮明に蘇る。
「雷神・アルザヘル。
10年前のあの日、そして1年前の借り・・・
ダスクの弔い合戦だ。
利子を付けてぶっ殺す」
窓から入り込んでくる風は
彼の茶色の髪を荒立たせた。




