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あの日、あの場所で見た星空  作者: ともり。


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第四十四話 もう一度

## 第四十四話 もう一度


「……かな。」


ゆうきが小さく名前を呼ぶ。


かなは何も言えなかった。


会いたかった。


ずっと。


でも。


本当に会ってしまうと、

胸の奥が苦しくなる。


夜風が静かに吹く。


あの日と同じ場所。


同じ星空。


なのに。


あの頃より、

少しだけ大人びた沈黙があった。


「……来る気がした。」


ゆうきが小さく笑う。


かなは少し驚く。


「なんで。」


「かな、

落ち込むとここ来そうだから。」


かなは思わず笑ってしまった。


悔しいくらい、

当たっていた。


数秒。


静かな沈黙が落ちる。


その時。


「かな。」


ゆうきがもう一度呼ぶ。


かなはゆっくり顔を上げた。


ゆうきは少し迷うように、

かなを見る。


「ちゃんと、

話したくて。」


かなの胸が、

静かに熱くなる。


「別れてから、

かなのことばっか考えてた。」


ゆうきが苦笑する。


「仕事してても、

海見ても、

コンビニ行っても。」


かなは唇を噛む。


自分も同じだった。


どこへ行っても、

思い出してしまっていた。


「かなを、

寂しくさせたくなかったのに。」


ゆうきが小さく息を吐く。


「気づいたら、

一番寂しくさせてた。」


かなはゆっくり視線を落とした。


胸が痛い。


でも。


嬉しかった。


ちゃんと、

同じ気持ちだったんだってわかって。


その時。


「……かなは?」


ゆうきが静かに聞く。


かなは少しだけ笑った。


涙が出そうになるのを、

誤魔化すみたいに。


「まだ好き。」


小さな声だった。


でも。


ちゃんと届いた気がした。


夜空には、

あの日と変わらない星が広がっていた。


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