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あの日、あの場所で見た星空  作者: ともり。


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第四十三話 同じ夜空

## 第四十三話 同じ夜空


その夜。


かなは一人で海沿いを走っていた。


目的地は、

自然と決まっていた。


最初に星を見た場所。


ゆうきと出会った、

あの夜の場所。


駐車場へ車を停める。


エンジンを切ると、

波の音だけが静かに聞こえた。


かなは車を降りる。


夜風が、

少しだけ冷たい。


でも。


この空気を、

身体が覚えていた。


ガードレールの向こう。


夜空には、

小さな星が広がっている。


かなは静かに空を見上げた。


『また、

星綺麗な日に行きましょう』


『夜コースしよう』


『かなといると落ち着く』


思い出したくないのに。


ここへ来ると、

全部思い出してしまう。


かなは小さく笑った。


「全然忘れられないじゃん……。」


その時。


後ろから、

車の音が近づいてくる。


かなは振り返る。


黒い車だった。


胸が、

一気にうるさくなる。


ゆっくりと停まる車。


数秒後。


運転席のドアが開いた。


見慣れた黒いパーカー。


かなは息を止める。


ゆうきも、

かなを見て少し驚いた顔をした。


静かな夜。


波の音だけが響く。


まるで。


あの日の夜が、

もう一度戻ってきたみたいだった。


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