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あの日、あの場所で見た星空  作者: ともり。


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第四十話 別れ話

## 第四十話 別れ話


久しぶりに会った夜だった。


海沿いの駐車場。


でも。


前みたいに、

“夜コースだ”って浮かぶ気持ちはなかった。


車の中は静かだった。


音楽も流れていない。


かなは助手席で、

窓の外を見ていた。


ゆうきも、

ずっと前を向いたまま。


波の音だけが、

遠くで聞こえている。


その沈黙が、

かなには少し苦しかった。


「……かな。」


ゆうきが小さく呼ぶ。


かなはゆっくり顔を上げる。


ゆうきは少し迷うように、

言葉を探していた。


「最近、

ちゃんと笑えてないよね。」


かなは何も言えなかった。


図星だった。


会いたかった。


寂しかった。


でも。


それをうまく言葉にできなくて、

気づけば全部飲み込んでいた。


「俺も、

余裕なくて。」


ゆうきが小さく笑う。


その笑顔が、

少し苦しそうで。


かなの胸が痛くなる。


「かなのこと、

好きなのは変わってない。」


その言葉に、

かなは息を止める。


「でも。」


続きが来る前に、

わかってしまった。


かなはゆっくり視線を落とす。


手が少し震えていた。


「今のまま付き合ってても、

かなを寂しくさせる。」


静かな声だった。


責めるわけでもない。


怒っているわけでもない。


だからこそ、

余計につらかった。


かなは唇を噛む。


本当は。


“別れたくない”

って言いたかった。


でも。


今のゆうきが苦しそうなのも、

ちゃんとわかってしまう。


「……うん。」


かなが小さく頷く。


その瞬間。


胸の奥で、

何かが静かに崩れる音がした。


外では、

波の音が静かに響いていた。


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