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あの日、あの場所で見た星空  作者: ともり。


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第三十九話 言葉にできない

## 第三十九話 言葉にできない


会えない日が続くと、

少しずつ会話も減っていった。


《お疲れ》


《お疲れさま》


《ちゃんと寝てね》


《ゆうきも》


優しい。


ちゃんと優しい。


でも。


前みたいに、

どうでもいい話をしなくなった。


夜景の写真も。


コンビニの話も。


『今、

星めっちゃ綺麗』


みたいな連絡も減った。


かなはスマホを見つめながら、

小さく息を吐く。


たぶん。


どっちも疲れていた。


だからこそ、

余計な気を遣ってしまう。


重くならないように。


困らせないように。


その結果。


少しずつ、

距離だけが空いていく。


その時。


スマホが震える。


《今日、

少し電話する?》


ゆうきからだった。


かなの胸が少し跳ねる。


嬉しい。


でも。


今の自分の声を聞かれたら、

たぶん寂しさが全部出てしまう。


かなはしばらく画面を見つめる。


それから。


《ごめん、

今日は眠そう》


送信した。


数秒後。


《そっか》

《ゆっくり休んで》


優しい返事。


でも。


かなの胸は、

少しだけ苦しくなる。


本当は。


声が聞きたかった。


会いたかった。


でも。


会った瞬間、

泣きそうな気がして怖かった。


スマホを伏せる。


部屋は静かだった。


窓の外を見る。


雨は止んでいた。


でも。


夜空には、

星が見えなかった。


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