第四話 マッチング
## 第四話 マッチング
夜。
部屋の明かりを落とし、
かなはベッドへ寝転がった。
スマホの画面だけが、
小さく顔を照らしている。
《おすすめユーザー》
画面を流れていく、
知らない人たち。
旅行好き。
カフェ巡り。
筋トレ。
年収。
肩書き。
なんとなく眺めながら、
かなは小さく息を吐いた。
「……疲れる。」
恋人が欲しいわけじゃない。
でも、
一人が寂しくないかと言われたら、
嘘になる。
そんな曖昧な気持ちのまま、
指を動かしていた。
その時だった。
《りゅう 27》
表示されたプロフィール写真。
車の前で笑っている男。
どこか、
見覚えがあった。
「あ。」
かなは思わず声を漏らす。
昨日。
星を見に来ていた、
あの黒い車。
助手席側で笑っていた男だ。
プロフィールを開く。
《夜ドライブ好きです》
《海見るの好きです》
《休みの日はふらっと北部行きます》
かなは少しだけ笑った。
なんとなく、
空気感が昨日のままだった。
気づけば、
いいねボタンを押していた。
数秒後。
《マッチしました》
「え。」
かなは目を丸くする。
早い。
その直後。
《こんばんは!》
メッセージが届く。
《もしかして、
昨日星見に来てました?》
かなは思わず笑った。
やっぱり、
気づいてたんだ。
《行ってました笑》
送信する。
数秒後。
《やっぱり!》
《友達と、
あの子絶対見てたよなって話してました笑》
「見てないし……。」
かなは小さく呟きながら、
口元を押さえる。
でも、
少しだけ嬉しかった。
窓の外を見る。
夜。
遠くに、
街の灯りが滲んでいる。
あの日見た星空を、
かなはふと思い出していた。




