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あの日、あの場所で見た星空  作者: ともり。


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第三話 夜の始まり

## 第三話 夜の始まり


「で?

結局気になってるんでしょ。」


昼休み。


美咲はレモンティーを飲みながら、

かなを見た。


「だから違うって。」


「いや、

あれは少女漫画の始まりだった。」


「始まらないから。」


かなは苦笑しながら、

スマホを触る。


昨日撮った写真。


星空。


海。


暗い夜道。


その隅に、

小さく街灯の光が映っていた。


「でも、

写真めっちゃいい感じじゃん。」


美咲が画面を覗き込む。


「これ、

雰囲気ある。」


「顔写ってないけど。」


「逆にいい。」


かなは少し笑った。


マッチングアプリの登録画面を開く。


名前。


年齢。


趣味。


好きなもの。


入力しながら、

少し考える。


趣味って、

なんだろう。


映画。


夜のドライブ。


星を見ること。


そこまで入力して、

かなは指を止めた。


まるで、

昨日の夜に影響されているみたいだった。


「やっぱやめようかな。」


「なんで。」


「なんか、

恥ずかしくなってきた。」


「もう遅いです。」


美咲が笑う。


その時、

かなのスマホが小さく震えた。


《登録完了しました》


「あ。」


「ほら、始まった。」


かなは小さくため息をつく。


でも、

少しだけ。


新しいことが始まるみたいで、

嫌じゃなかった。


その頃。


「ゆうき、

今日どこ行く?」


りゅうが助手席で欠伸をする。


「んー。」


ゆうきは片手でハンドルを握りながら、

前を見る。


夕方の海沿い。


オレンジ色の光が、

道路を照らしていた。


「北部まで流す?」


「夜コース?」


「まあ。」


りゅうは笑った。


「好きだよな、

夜走るの。」


「落ち着くから。」


コンビニへ寄る。


ゆうきは冷蔵棚の前で少し考えて、

カフェラテを手に取った。


「珍しく甘いやつ。」


りゅうが言う。


「なんとなく。」


レジを済ませ、

車へ戻る。


エンジンをかけると、

静かに音楽が流れ始めた。


車は再び、

海沿いの道を走り出す。


窓の向こう。


少しずつ、

夜が近づいていた。


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