表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法少女っているよね early access version  作者: ににん(ni-ning)
第5章 子犬の魔法少女と子猫の魔法少女
83/84

83. 放課後の生徒会室

「えっ!?」

 プル達は、傍目にも常磐さんの話をまったく信じることができなかったので、多分常磐さんをがっかりさせただろうなと思ったのに、予想に反し、常磐さんがうれしそうに笑いだしたのを見て、プル達はしばし呆気にとられた。


 そんなプル達のことなどお構いなく、常磐さんはその後も一人愉快に笑っていたが、やがて落ち着くと話を続けた。

「いやいや……これは申し訳ない。突然笑ったりしてしまって……でも、これは別に君達のことを馬鹿にしたのだとか、まったくそういうことじゃないから……誤解しないでくれよね。いやあ、まさかとは思ったけど……でも、ここまでとは思わなかったよ。」


「え、えーっと……」

「おーよ……」

「常磐さん……あの、どういうことなの?」

 プル達は常磐さんの意図がまったくわからず困惑した。


「よし……うん。ではでは、ここで説明することにしよう。これも実はさっきご主人様に聞いたことなんだけど……ご主人様がポメラニアンでありながらも、本当は我々人類の創造主であるとか、5色の魔法少女や6色の魔法少女という幻想の存在が実世界に本当に存在しているとか、そういった我々の社会において不要で不都合な真実は、すべて信じないように全人類にはロックが掛けられているそうなんだ。だから、5色の魔法少女のアニメを観て、たとえ知ってる人が出てきたとしても、それが現実の話だとは誰も信じないそうなんだよ。しかも、そのロックは5色の魔法少女達にも掛かっていて、5色の魔法少女本人でさえその事実に気づかないというのだから、君達が信じられないのは当然のことだし、考えることすら馬鹿らしくなるような話だろう。それと僕の『犬派猫派論』だけど……これもロックが掛かっちゃう類の話だそうだよ。でも、これに関しては信じようが信じまいが、別にどうでもいい話なんだけどね。ちなみに……このロックというか人類の記憶の改変を行っているのが、もう一人のご主人様の方らしいよ。」


「はーっ……」

 プル達は、常磐さんの言ってる意味がさっぱり飲み込めず、どう反応していいかわからなかった。


「ふふっ。だがだが、しかしそれでいいんだよ。たった今言ったばかりだけど、そもそも君達は、僕の話を信じようと思っても、まったく信じることができないんだから……そういう反応になってしまうのが極めて正解だよ。事前にご主人様から聞かされて、そうなることがあらかじめわかっていたから……だから僕は、最初に君達にはあくまで5色の魔法少女はいるとかっていう前提で話を聞いてほしいってお願いしておいたんだよ。」

 常磐さんは知らぬ間に、もうすっかりいつもの平静さを取り戻していた。


「う、うん……」

「お、おーよ……」

「え、えーっと……」

 プル達は、常磐さんとどう会話を続けたらいいのか困った。


「ふふっ。まあ、そうなってしまうよね。でも僕としても、昼休みの時点では、ご主人様に色々と話をうかがっておいて、放課後になったら君達にちゃんと説明するつもりでいたんだからね。でもご主人様に聞いた限りだと、僕がいくら理論立てできたとしても、この話を君達がまったく信じることができないということがわかって……それで、僕も困ってしまってね……そうなってしまうともう狂信者に対して、誰にでもわかるようにやさしく摂理や道理を説明してあげたとしても一向に信じてもらえないのと同じように、絶対に信じないとわかってる人間に対し、真実を説明しなければいけないっていう自己矛盾を抱え込む事態になってしまってね。僕としても説明のしようがなくて、せめて君達がまったく信じないという事実を、改めて検証する場になってしまったっていうわけさ。」


「えーっと……でも、あの私達が常磐さんの話がまったく信じられないっていうのは正直事実なんだけど……でも、メグがしゃべるってことも信じられないんだけど……でも、そっちの方は本当みたいだし……だったら、なんでメグはしゃべれるの?」

 プルが常磐さんに疑問をぶつけた。


「なるほど……それはいい質問だね。確かに僕が先ほど、我々の社会において不都合な事実は、すべて信じないように全人類にはロックが掛けられると言った。だったら、君達は子犬がしゃべるのだって信じなくて当然のはずなのに、それに関してだけは、信じようが信じまいが事実だと受け止めてしまっていると。えーっと……うん、それについては、実はもう一人のご主人様が掛けているロックとはなんの関係もなくて……桃色の魔法少女である薄珊瑚君にワールドスピーカーという魔法をかけてもらったので、ご主人様は犬ながらにして人間の言葉をしゃべれるようなったそうなんだ。だから、これは世の中の理に大きく外れる行為にはなるんだけど、ロックの対象外になっちゃうようなんだ。」


「ワールドスピーカーって?」

「おーよ。桃色の魔法少女のそんな魔法聞いたことねーよ。」

「それに、つかさの魔法って……」

 プル達は、訝しげに常磐さんを見た。


「はははっ。まあそれ以前に、僕は5色の魔法少女とか桃色の魔法少女が、一体どんな魔法が使えるのかよく知らないんだけどね。……現実には桃色の魔法少女にワールドスピーカーという異種間翻訳魔法があって……それでご主人様が薄珊瑚君にその魔法をかけてもらったので、こうやって君達とも会話できるようになったってことなんだけど……まあ僕も正直、こんなリスクの高い魔法をかけてもらわなくとも、他にいい方法が色々とあったんじゃないかとは思うんだけど……」

 常磐さんは、メグを見ながら軽やかに笑った。


「うーん……えーっと、それじゃとりあえず5色の魔法少女とか6色の魔法少女がいるって前提ってことで話を聞くけど……だったら、なんでメグは6色の魔法少女に会いにきたの?」

 ルーシーが困惑した表情を映しながら、いまだショックを受けている様子のメグの方を見た。


「そういやなんでだろう?」

「おーよ。」

 プルとミアがルーシーに同意した。


「うん、それもいい質問だね。これもさっきご主人様に聞いた話なんだけど……5色の魔法少女というのは、6色の魔法少女の対となる存在で、5色の魔法少女と6色の魔法少女が一緒になって、いわゆる敵と戦うというのが本来のセオリーなんだそうだ。ところが、ある事情によって、この5000年くらい、6色の魔法少女がまったく誕生しない状況が続いてしまって、結果として、5色の魔法少女だけで敵と戦わなければならなくなってしまっていたそうなんだ。」


「でも、5色の魔法少女がいれば、それで十分じゃん?」

「おーよ。わざわざ6色の魔法少女の力を借りるまでもねーよな?」

「えーっと……とりあえずその事情って?」

 ルーシーは常磐さんにその事情を尋ねた。


「うーん……それについては……申し訳ないんだけど、ご主人様の名誉のためにも、僕の口から言うのは控えさせてもらうよ。……でだでだ。ところがなんと、この度支子君が、奇跡的にも5000年振りに6色の魔法少女に覚醒するのに成功したというわけなんだそうだ。それで、こうやってご主人様が直々にわざわざ地球まで6色の魔法少女に会いに来られた。つまり、そういうことなんだそうだよ。」


「でも……会いに来たのはいいけど、会ってどうするの?」

「おーよ。ロボットとかの相手だったら、5色の魔法少女だけで事足りるっつーしな。」

「それとも……他に何か大切な用事があるの?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ