裏へ潜る夜
灯混は幼少期から身体操作と呪い軽減もかねて
身体強化の訓練を欠かさなかったが
共闇由来の負荷を軽減する方法が出来たころから
一気に訓練が激しい拷問に変わって行った
そんな昔と今の違いを感じた灯混は
(こんなに変わる物なのかぁ)と
遠くを見つめていると
パンパンと拍手がなる
話を聞かない灯混に「戻ってコォい」と
共闇が呼びかけると
灯混は「ん」と軽い返事をする
その姿を見た共闇は
「体をバッテリー化なんて
応用中の応用だぁ
普通は身体強化を極めていって
会得するもんだガァ
お前にゃぁそんな時間がないから
一石三鳥の訓練だ」と授業を終えると
灯混を座らせ足や腕を
ガチャン ガチャンと手錠で拘束していく
訓練・・・拷問が近づいている
そんな現実に灯混は
「待って 心の準備が」と叫んでいるが
お構いなしに灯混に触れた共闇は
「よし 始めるぞぉ」と合図をした
共闇の魔力が灯混の体を纏い
押しつぶすように侵入する
灯混は体の皮膚からの激痛に耐え続ける
共闇の魔力が灯混の体
その奥底に近づくにつれて
全身が膨張するような激痛にみまわれ
注射を100本差し込まれる異物感に
耐えながら身体強化に集中して
「ッッッッッッ
ァッァァ タンミャ タ・・・死・・ぬ」と
叫び続ける
身体強化の集中を切らさないのは
大量の魔力に押しつぶされ死んでしまうからだ
本来 人を殺しかねない魔力を
流し続ければ術者も消耗するが
共闇は殲滅部隊に加入しており
その中でもトップクラスの実力を持つ
だからこそ
魔力切れをほぼ起こさない
何時間経っても魔力を切らさない共闇に
「タンにゃ・・
タ・・・ァタ・・あ
このイカレギャ」とついに暴言を口にする
その暴言に共闇は驚いた様子で
「余裕そうだなぁ
もう少し圧を上げるかぁ」と遊び始めた
親子で人外じみた訓練に冗談を掛け合う
一方は苦しそうに
一方は楽しそうに訓練は夜まで続けた
疲れ切った表情で
ベッドにダイブする灯混は
寝たフリをしながら(1・2・3)と
秒数を数え始めた
30分たった頃
灯混は今日も裏の世界に入り込んだ
もちろん共闇にはバレバレだった
裏の世界に潜った灯混の
視界に写ったのは奥行きの広い玄関と
二人の悪魔だった




