混血の特権
ガチャとドアの音が響く
そこには全身打撲姿の少年
狭間 灯混がいた
灯混は靴を脱ぐと
「ただいま」
父親の狭間共闇に挨拶をして
「ねぇ なんで悪魔は怖いの?」と
いつもの疑問をぶつける
灯混は「だって悪魔の世界では言葉が通じて
感情があって人間と同じなのに」と
悪魔を庇うように共闇に問いかける
それを聞いていた共闇は
(そうかぁ毎晩
裏の世界へ行って遊んでんのかぁ)と呆れながらも
(しっかもぉ
まぁた学校でいじめられてねぇ)と心配するが
いじめよりも
(・・・・・毎晩ねぇ毎バン゙)と夜遅くまで
裏に潜る灯混への怒りが勝ったが
灯混の疑問を思い出し
正気に戻ると「悪魔は人に取り憑いて
人の感情を食べるからなぁ
悪魔が本能的に怖いんだろぉ」と適当に返すと
共闇は何か感じたのか頭を掻きながら
「人に取り憑いてわぁ人を操りぃ暴れる
そんな悪魔だけかぁ?
お前はよぉく知ってるだろう?」と
狂気じみた優しい瞳で灯混に語る
一瞬父親の顔を見せた共闇は
「それは
裏と表の混血のぉ特権でもある
人に言われたこたぁ関係ない
いいかぁ
よぉく聞けぇ
お前はお前で他人は他人だぁ
人が何を言おうとぉ
自分の目で見て
体験したことを信じろぉ
そして自分の混血を誇ってやれぇ」と
親らしいことを言うが
「・・・・そろそろ 訓練を始めるぞぉ」と
嬉しそうに合図をする
そんな共闇が立っていた背後には
ただの家庭にはあるわけがない
拘束器具がびっしり置かれていた
灯混はウゲッと顔を歪めると
「グス
訓練じゃなくあれは拷問だろ
んフんフんフ」と嘘泣きする
そんな灯混に容赦無く
「お前 状況わかってんのか?
魔法の訓練しないと
お前の体は半年ももたんぞぉ」と
まるで楽しい実験を行うかのように
訓練の準備をしながら忠告する
そんな楽しそうな親を見た灯混は
もう何も言えなくなっていた
ーーーーーーーーー
準備の時間に入ると共闇の口から
「悪魔のぉ食事でも教えてやるよぉ」と
いつものような授業が始まった
「裏世界の人間はぁ
人の心情をぉ食べる
食事方法はぁ
人に乗っ取るのが有名だガぁ
人に取り憑くのガァ先だぁ
取り憑かれるだけじゃなにもないがぁ
量が増えると死ぬ」と
物騒なことを言いながら
物騒な器具を持ち運ぶ共闇は
「他に人とのぉ契約があるゥが
それが出来ない悪魔も居る
なぜなら悪魔にもぉ
相性があるかなぁ
契約者はぁ
悪魔にとってのバディだぁ
契約相手を見つけるのはぁ相当苦労するだろぉなぁ」と
原因までしっかり伝えるが灯混にとって
新しい事実という衝撃で
頭に入らず頭を抱える
そして諦めながら
(親父の契約者はだれだよ)とツッコんだ
そんな灯混の悩みを
共闇が気にするはずもなく
「次は悪魔の共食いダァ」と
解説を続けるが
少し手を止めた共闇は「はぁ」とため息をつくと
「禁忌と言ってもいい
悪魔の心情もぉ
人間と同じダァ
有名にぃなると別の種に
変化することもぉある」と解説を区切った共闇は
(あいつも共食いしてるよなぁ)と心で呟きながら
「まぁお前の場合
取り憑かれる心配はあってもぉ
乗っ取られる心配はない
お前は人間でも
悪魔でもぉあるからなぁ」と反応に
困る慰めをもらった灯混の顔は
苦笑いだった
息子の苦笑いに
「まぁ悪魔にとって取り憑きやすい人間は
混血ぐらいしかいないからなぁ
一般人に一体程度取り憑いたって
払われておしまいだぁ」と言い切ると「そういやぁ
今 何体だ?」と思い出したように灯混へ聞くと
「7・・10・・・」と数え始め
「150体以上」と答える
数を聞いた共闇は「やっぱ憑かれてる量
増えてんなぁ」と参ったように呟くと
「これから訓練強めにやるからなぁ」と
狂気じみた笑顔で告げると
灯混は口を開こうとする
それを止めるように「復習だ」と言って
切り替え「文明の発展や戦闘に使われたぁ物はぁ?」と
次はクイズ形式で授業を行う
灯混は「魔法」と即答すると
共闇は「取り憑きぃ暴れる悪魔を
殲滅する組織は?」と
矢継ぎに問題を繰り出すが
「殲滅部隊」とこれまた即答だった
間違いがなくなってきた灯混に共闇は
「魔法はぁなんの源ダァ?」と
深堀りすることにしたが
毎日問題を解く灯混にとって簡単だ
「人の力の源」とすぐに答えると
共闇はニヤニヤしながら
「訓練理由は?」という問題を出す
少しひねった問題に
灯混はすぐ答えられず黙ってしまう
数秒待った共闇は「ザァンネェーン」と言って
「人間の力を強めれる魔法の強化でぇ
呪い軽減を測る
覚えとケェ」と解説すると
クイズ大会が終わり
深掘りに入っていく
「魔法の種類はいろいろあるがぁ
ほぼ全て魔力を付着させ操るのが基本だぁ
その中でお前がぁ
訓練するのは身体強化ぁ
これだけだぁ
体に魔力を巡らせぇ
体を強化する基礎中の基礎
・・・・さすがにぃおぼえてるよなぁ」と
睨みながら解説する
そんな共闇に灯混は目を逸らして黙り込む
その様子に共闇は笑顔で
「一時間追加だ」と呟く
それを聞いた
灯混の目は死んでいたが
共闇は実験の延長に喜んでいた
喜ぶ表情はすぐに戻した共闇は
「いいかぁ よぉーく聞けぇ
お前が身体強化の特訓をするのはぁ
呪いの効果を受けずに
体を動かせる
そして体全体に魔力を流すことでぇ
取り憑く悪魔の空腹を減らし
呪の効果を弱める
・・・覚えておけぇ」と早口で再確認すると
灯混は笑顔で頷くと
共闇はなぜか残念そうに
「身体強化で体にぃ
魔力を慣らしぃ体をバッテリーとしてぇ
魔力をストックすることがぁできる
それが呪いとの相性がいい
ストック分呪がぁ干渉しづらいからなぁ
そこはぁ保証するゾォ
俺が見つけたからなぁ」
と安心できない保証付の解説が
終わったのだった




