17話 アマタ
俺は、年甲斐もなく天に向かって叫んだ。
「神様、聞こえてるなら出て来てくれ!」
「騒がしい、どうしたのだ?」
「アマタが、アマタが戻ってきていないんだ!」
「ああ、アマタならあそこだ。」
神様が指を指すとテレビの電源が入りアニメが流れ出す。
「あ、私しってる! 恋愛シミュレーションゲームの代表的作品だよね♪」
「そうなのか?」
すぐに表示されるタイトルコール『がちむきメモリアル~Reach this weight you~』にフラニーが訂正して来た。
これが代表作品だと!!?
Reach this weight youって、君に届けこの重りって解釈で良いのか?
制作者大丈夫か?
「あ、これ私の知っているゲームじゃない。」
「そうか、良かった。 日本ゲーム業界の行く末を心配するところだった。」
そして、浜辺を走るアマタをタイヤをロープで繋いだ美少女が追いかけたり、公園でアマタが持ってくるアイスクリームを空気椅子で待つ美少女だったりとオープニングを見ただけで疲れてしまった。
だが本編は、無情にも始まってしまう。
トーストを咥えた美少女が曲がり角でアマタとぶつかる。
『遅刻、遅刻~! キャ!!』
『大丈夫か?』
美少女は、ぶつかった反動で尻餅を着きめくれ上がったスカートからは、スパッツが覗いていた。
『あいたたた! バッ み、見たでしょ!?』
「酷いアニメだな。」
なんとか遅刻せずに済んだアマタと美少女は、会話を始めた。
『何とか間に合った。 それよりあなた私の速さについて来るなんて意外と根性あるわね。 良かったら私達の部活に入らない?』
《1.じゃ、見学させてもらおうかな?》
《2.いや、部活に入るつもりはないんだ。》
アニメなのに謎の選択肢が表示された。
するとおもむろにスマホを取り出したアマタは、何処かに電話をかけている。
あ、俺のスマホが鳴った。
プルルルル「もしもし?」
『もしもし、アマタだけど今アニメの中に居るんだが元がゲームらしくて、選択肢が表示されたんだけどどうしたらいいと思う?』
「知るか!! 一つ言える事は、そのアニメにマトモなヒロインは出てこないと思うぞ?」
『どうしてだ?』
「今、画面上ではその子のプロフィールが左上に表示されているんだが趣味がパンプアップって書いてある。」
『なるほど、じゃ次のヒロイン探してみるよ。』
「あっ」ツーツーツー
俺の注意を理解せずに切りやがったな。
その後もアマタが出会う女の子は、皆趣味が片寄っていた。
「アマタ君、楽しそうだね♪」
「そ、そうだと良いな。」
俺には、パンプアップの美少女達よりも強い嫁がいるがフラニーで良かったと再発見出来て良かったと思う。
補足だがエンディングでは、小麦色に焼けたムキムキマッチョなアマタがトレーニングしていたのであの中の誰かと仲良くなるんだろうなと思い、そっとテレビを消した。




