12話 宇宙人(本場)
皆さんは、リトルグレイを知っているだろうか?
正式名称は、ゼータ・レティキューリエニとか付いている灰色の彼等を。
簡単に言ってしまうと宇宙人だ。
宇宙人にもいろんな種類があり、タコの様な見た目の火星人、異世界モノのリザードマンの様な姿のエイリアン、前に家にやって来たアホ毛星人等のマイナーなモノまで合わせると色々な種類がいるのだろう。
そんな中で不動のセンターを飾るのがグレイではないだろうか?
個人的には、俺達の生活を邪魔しなければ居ようが居まいがどちらでもよかった。
ピンポ~ン!
「はいはい、今開けま~す。」
ガチャ
「我々は、宇宙人だ。」
「あ、そういうの間にあってますんで。」
ガチャ
「ユウくん、お客さん?」
「いや、いたずらだった。」
ピンポンピンポンピンポ~ン!
ガチャ
「しつこい!!」
「閉める事ないやん! わざわざ宇宙から来たんやで!!」
「何で関西弁やねん!!」
「テレビ見てへんの? ワイ、言うてたやん? 異文化コミニケーション、グローバル化って?」
「誰だよ、本物の宇宙人にオファーかけたヤツ!」
「まぁまぁ、兄さんおちつきなはれや。」
「誰のせいだ!!」
どう考えても厄介事にしかならないと俺が追い払おうとしているとフラニーが持ち前の対応力を発揮した。
「変わったお客さんだね。」
「おや、姐さん気使わなくてええんやで、ワイ、コーヒーのブラックで十分や。」
「ワイは、紅茶のアールグレイで。」
「アール”グレイ”やて! グレイだけにwww」
「あははは、面白いお客さん達だね、ちょっと空いてる席に座って待っててね。」
「「「は~い」」」
出会って5分、コイツ等マジでウザイと思いました。
「で何しに来たんだ?」
「それな、最近、この星の衛生管理が上がって牛や豚が病気にかかって大量に殺処分されてるやん?」
「ああ、ニュースでたまにあってるな。」
「そんでワイ等の猟法にキャトルミューティレイションってあってな、獲物が少なくて困ってんねん。」
「それと家と何の関係が?」
「聞いたで! この家に凄腕のハンターがいるって!!」
「ああ、誤報だろう?」
「チッチチ、現代の技術力なめたらあきまへん。 宇宙船も事故対策でドライブレコーダー搭載しましてん、もちろんMade in Japanの! ほれ、この映像みてみ。」
色々ツッコミたい所を我慢して、映像を見てみると鮮明に映し出されていた。
野山を駆け回り、獲物を次々と狩るフラニーの姿が。
「これ、私だね。」
「という事で、姐さん、ワイ等を弟子にしてください。」
「ダメだよ。」
「「「「えっ!?」」」」
普段なら簡単にOKを出すであろうフラニーのまさかの拒否に俺まで驚いてしまった。
「なんでや!?」
「まず、重力が低い星から来ている様だから筋力がまったく足りて無いみたい。 それにその手だとこの星の武器は、扱えないと思うよ?」
ド正論に自分の手を見ながら打ちひしがれるグレイ達。
「でも魔王さんの住んでいる世界なら動物や魔物がいっぱい討伐依頼だされているからそこなら豊富に狩りできるかも。」
グレイ達の顔に輝きが戻って来た。
「あ、でもこの星の動物達より、圧倒的に強いから無理かも?」
上げて落とされて、グレイ達の顔にさっきよりも深い影が刻まれた。
「まぁ、なんだ。 新しい星でも見つけて、調査して獲物を確保した方が無難なんじゃないか。」
「何事も堅実にって事だね。」
軽くフォーローしてやったグレイ達は、コーヒーや紅茶を飲み干し、ステルスモードを解除された宇宙船へとトボトボと乗り込んでいく。
「兄さん姐さん、お世話になりました。」
「また来てね~。」
宇宙船は、空高く舞い上がり、倉庫に備蓄してあったジビエ肉も吸い上げられていく。
「あ! 泥棒!!」
ビュン!
・・・・ボフン!・・・・ヒュ~~ン・・・・
とっさにフラニーが小石を拾って宇宙船へと投げつける。
見事に命中した宇宙船は、煙を出しながら山の向こうへと消えて行った。
この日から1週間ほどテレビや新聞などの情報をシャットダウンする事を俺が強行採決で可決させた。




