その後の顛末
フェンリル事件に於ける事の顛末は意外にも早期に収束した。
まずこれは鷺宮の尽力によるものも大きいのだが、白の管轄する街で被害を最小限かつ迅速に日本の神器の巫女がこれを終結させたことが、日本政府にとっての大きな後押しとなった。
ドイツ政府は言うまでもなく先進各国の政府も、ドイツ政府が討ち損じた厄災を祓い尚且つドイツが隠匿していたグングニールを公にした日本政府には強くでることはできなかった。
そもそもはドイツと日本が密約を交わし秘密裏に事を進めていた筈なのだが、その全ての汚名をドイツ軍諜報部の独断と言う形で罪を着せることにより一応の決着をみたのである
その後の顛末
レーヴァテイン:ドイツ政府へと返還、その後しばらくは凍結封印することにより新たなワルキューレの選抜は当面見送られることとなる
ドイツ陸軍諜報部:今回その全ての責任を押し付けられることにより、軍内部での発言力の低下は免れなかった。
元凶であるグデーリアン准将及び、以下これに加担していた将校や士官達、14名にも及ぶ軍幹部の人間の反乱と見做され裁判を待っているところである
HWSの面々:ロンメル大佐、ヘイヘ軍曹は殉職による二階級特進、最終的に少将、上級曹長としてその生涯キャリアを終える
ルーデル、エルンスト、ミハエル、オットー、エーリッヒ等他三名の面々は、今回の任務に当たり日本の姫巫女と協力し祖国の敵であるフェンリルを撃破したことを称えられ、軍内では英雄的扱いを受けることとなったのだが、今回の任務はあまりのその機密性の高さにより、その事情に深く関わってしまっていることから常に口封じの暗殺を警戒しなければならない生活を強いられることとなった。
それ相応の階級を与えられてデスクワークや、軍学校に於ける教官等の任務に就くことが多くなり事実上の軍内に於ける軟禁状態のような生活を送っているのだが、それでも常に命の危険に晒されていた前線任務に比べれば平穏な日常を送れていると言えるだろう
ツェツィーリア:フェンリル事件の最中重傷を負い姫宮神社に匿われていたツェツィーリアは、消息不明、後に事実上の戦死として扱われることとなった。
勿論今では怪我も回復し普通の日常生活を送れるほどにまでなっている
姫宮神社に訪れた際には、巫女装束を纏った彼女の姿を見ることができるかもしれないからおすすめです。
そしてクローディアとの関係についても、まだ良好とまではいかないが少しずつ少しずつそのわだかまりを解いていけばいいのだ、二人にはまだまだこれから長い人生が待っているのだから
ちなみにツェツィーリアは15歳だからクローディアよりも2つ年下だ、ぐへへ・・・
そして・・・
グングニールとその戦女神:フェンリル討伐後、クローディアはドイツ本国に戻り今回の任務の詳細を報告すると、しばらくは休暇と言う名目で謹慎することになった。
しかしながらドイツ政府が神器グングニールを秘密裏に所有し、それを操るワルキューレを生産していたことを隠匿していたことは当然問題視される
各国による共同管理と言う形でドイツ国の所有権剥奪と言う議論がされる中、それをどこで管理するかが議論の焦点となる
最終的に今回の事件の当事者でありそれを収束させた日本国内でそれを管理することになるのだが、クローディアの身柄を守ること、それを第一に考えたのが鷺宮であった。
これは健登達に対する彼なりのけじめのつけ方でもあったのだろう、下手をすればこれまでの自分のキャリアと、そしてこれからのキャリアを失いかねない相当に危ない綱渡りでもあったが、仁義を通すことそれなくして人心は掴めぬ、これからの政治家人生に於いてもこれはプラスになると考えたわけだ
まあ白の口添えがあったことと、ポイニークーンこと常深紫の学園内でそれを監視管理すると言うことが一番効果があったのだろう、自分はまだまだ未熟ものであると痛感する鷺宮であった。
こうして全ての事柄に決着がつきクローディアは再び旭ヶ丘学園高校の生徒として、普通の高校生活を送れるようになったのだ
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なかなか陽の沈みきらない夏の夕暮れ、トラテープの貼られたボーリング場跡地に集まると警備の目を盗み中に侵入する人影が五つ
真っ黒に燃え落ちた廃墟を目にして、その凄まじい業火の残り火を感じるような気がした。
クローディアは手にしていた花束をそっと地面に置くと、胸の前で両手を握り締め祈りを捧げる
ここで散って行ったロンメルとヘイヘの為、そして敵対はしていたが同じドイツ国軍人としてその命を散らしていった諜報部の兵士達の為に
涙はもう流さない、ロンメルは望んだのだクローディアの笑顔を、ヘイヘは願ったのだクローディアの幸せな人生を、これからはこの地であの学校で、健登や弥命、芳乃や悠紗、そしてクラスの皆と沢山の楽しい思い出を、幸せな時間を作っていくのだ
クローディアは振り返らずに皆に言う
「今日、今この場所にワタシはドイツ国のワルキューレであったワタシを、ゲイレルルであったワタシを置いて行く、ロンメル大佐とヘイヘ軍曹の眠るこの場所に・・・」
そして振り向くと笑った。
「行こう皆、ワタシはここからただのクローディアだ」
夏の匂いを含んだ風がクローディアの金色の髪を揺らし吹き抜けていくのであった。
おしまい
四章に入る前に三章本編で描ききれなかったことをちょっとだけ追加してみました。
ものすごく蛇足感がでてしまい申し訳ないです。四章の本文内にこの部分を入れてしまうと、どうしてもテンポが悪くなるのでこういった形で更新いたしました。
四章の連載開始はもう少しだけお待ちください
あぼのん




