99話 カイト、外に出たいとパパにお願いをする
「ボクがこれからしていくことに、たーくさんお金が増えたらちょっとお小遣い欲しいです。」
「売上から原価や人件費を引いて、利益からいくらか渡せるはずだぞ」
「ああ、販売にはイヌマも絡んでもらうからイヌマにもいくらか弾むつもりだ」
「ありがたき幸せでございます」
「では、改築を急いでくれ、あとどれくらいで出来る予定だ」
「はい、私共出来る限り頑張ります。1ヶ月、猶予頂けますでしょうか?」
「あい、分かった。料理人や使用人などは、マーシュ家からだそう。我が家の料理だからな。」
「セバス」
「はい、旦那様」
「話は聞いていたな。モントレーにはイス、テーブルを依頼して、あやつの弟には食器類などのガラス製品を頼む」
「あと、トイレにはスライムだ。家族用にカイチェアも準備しておくように。マーシュ辺境伯事業をここで一気にお披露目とするぞ」
「では、イヌマ。よろしく頼む。店ができたら連絡を寄越すように」
「はい、マーシュ辺境伯様、承知しました。それでは早速作業を始めますわ」
「あい、分かった。では、下がって良いぞ」
おー、おー、おー、なんか一気に動き出したよー。テンションあがるー。
イヌマさん、期待してるよー。
あとは、肝心なことを伝えないと。
「パパ、話があるの」
「どうした?何の話だ。ミソの店についての話か?」
「うん、ミソも含めてなんだけど、同時に色々売り出したりするでしょ?」
「そうだな、カイトの考えたものが今まさにマーシュ領に明るい未来を与えてくれてるな」
「これからボクはマーシュ領を良くしているために頑張るよ。だからね、お外に出て色々みたいの、ボクに外の世界を見せて」
「うむ」
「まだお前は4歳だぞ。外の世界に憧れるのも分かる。けど、これから色々学べなければならない。それは分かるな」
「はいっ」
「そして、自分の身は自分で守らなきゃ行けない。それも、分かるな」
「はいっ」
だから、毎日訓練してるもん。
「パパはお前が可愛い。パパもママも、この屋敷のみんなもお前のことを大事に思ってて、みんながお前を愛しているんだ、そこも、理解しているか?」
「はいっ、ボクもみんなの事が大好きです。」
「ああ、ちゃんとわかっているんだな」
「はいっ」
ボクは改めて、パパやママ、みんなに愛されているんだって実感して、嬉しくてちょっと泣きたくなった。
「カイト、本当はパパはカイトにはまだこの屋敷ですくすくと安全に過ごして欲しいと思ってる」
え?だめなのー
「でも、カイトなら…頑張ってるカイトなら少しは外の世界を見せてやりたいとも思ってる。」
うんっ、うんっ
「しかしな、《《可愛い子には旅をさせろ》》って言葉もあるしな。少しだけなら許可を出そうと思うが、さぁ、どうする?」
「パパ、ボク、外に行きたい。お願い行かせて!」
「ああ、分かった。まずはこの領を見てみなさい。いずれはお前が継ぐ場所だ」
「ありがとう、パパ」
ありがとう、パパ、大好きだよ。
両手広げて待ってるけど?何?
ん?俺の胸に飛び込んでこいってこと?
またあのおひげジョリジョリされるのは、やだー。
「なんだ、カイト。パパにお前を抱きしめさせてくれないのか?」
しょーがないなっ。
ボクは《《躊躇いながら》》パパの胸に飛び込んだ。
やっぱり、ジョリジョリは痛かった。
「さぁ、カイト、お店に出す料理はミソ汁だけじゃないんだな?」
「うん、だから街に行って、色々見て使えそうなものがないか、探したいんだ」




