100話 カイト、初めてのお出かけ!パパと一緒に領内見学
パパから外出の許可が下りて2日後。
ボクは初めて屋敷の外に出る。
カイチェアのお披露目の時ボクと同じくらいの年か、それよりも下の年齢の子どもたちはボクの家に来てくれた。ボクはその時も、その後も外出が許されてなかった。
ボクはやっとやっと外出を許されたんだよね、ちょっと理不尽感じるけどー。
けど、辺境伯は候爵と同じ位で高位貴族。だから、誘拐の確率などのいろいろな危険度が増す為、なかなか外には出さず、5歳の祝福の時に初めて外に出るらしい。
そんなの知らなーい。なんだよ、そんな理由だったのー?なんか貴族って大変だね。
マールからは、「坊っちゃまの価値は、今後益々高まるでしょう。ですから旦那様も奥様もより慎重になっておられるんです」だなんて言われたら、しょうがないよね。
でも、まあ、今日からは解禁。
マーシュ領をまず見て、それから、森に行って、別の町にも行きたい。あと、海に行きたい。行きたいとこ、やりたいこといっぱいあるよね。
さ、ボクのお着替えも終わったね。
マールが整えてくれたよ。
てっきりお忍びで、街人の格好にするかと思っていたら、逆だったー。
なんだか、いつものお洋服に金の刺繍が入って金ボタンになってる感じー。
どこぞの王子様だよー、恥ずかしいかも。
うん、よし、気にしないでおこう。そうしないと歩けないからねっ。
なんでも、わざと辺境伯子息のお通りだーって家紋付きの馬車で護衛も沢山つけて行くんだって。いや、それってさ、結構?ってか、かなり恥ずかしいかも。
物々しいけど、ちゃんと騎士に守られてる方が、悪い人が手を出しにくいらしい。
なるほどー、そんなもんなんだねー。
気楽に歩けないのは残念だけどワクワクは止まらないよねー。
さぁ、行こう。キラッキラの洋服は恥ずかしいー。けど、一時の恥ずかしさよりもボクは外の世界の魅力を知りたいんだ。
玄関ホールに続く階段にたどり着くと、玄関ホールにはパパの姿がある。
ボクの見送りかな?
それにしてはパパ、すごくかっこいいよ。二割増?いやいや、貴公子では?
普段のパパじゃないよ?イケおじよ。
黙っていたら、パパかっこいいよ。
「パパー」
ボクは楽しみすぎて、階段を駆け下りパパに飛びついた。そんなボクをパパは抱き上げてくれた。
「カイト、今日は私も一緒に行くぞ」
やったー、パパとお出かけだー。
「ほんと?初めてのお出かけがパパといっしょー。嬉しい、ありがとうパパ」
「さぁ、行くぞ。マーシュ領の見学だ」
「うん」
玄関の前にはボク達の乗る馬車があって、その左右1列にズラって並ぶ騎士たち。
「敬礼!」
「「「「「「「「「「「「「「ハッ!」」」」」」」」」」」」」」
おー、かっこいいー。すごーい。
こんなにビシッと揃って整列かっこいい。
みんなの敬礼にパパも敬礼を返してるー。なんかパパが偉く見えるー、偉いけど。
思わずボクも、両足揃えて、背筋伸ばして、みんなと同じくピシッと。
どう?ちゃんと敬礼できた?
パパをチラ見。
ん?みんなどーした?パパもどーしたの?
ニマニマしてて、生ぬるい顔しちゃってさ。みんな、そんなんで今日の護衛大丈夫なの?
「うっ、ちっちゃいダウニー様だな」
「はー、真似しちゃって可愛いな」
「いっぱしの敬礼だなっ」
「なんだ、可愛すぎるだろっ」
なんか、ボクのこと言ってる?
そこ、なにニマニマ、コソコソしてるのー。
「キョロキョロしてて可愛いな」
「カイトおぼっちゃま、初めて見たけど、女の子みたいに可愛いなっ」
ん?ちっちゃい声で聞こえたよ。
だーれ?今、女の子みたいって言った?
これは、ちゃんと言わないとな
「《《ボク》》はマーシュ辺境伯嫡男、カイト。」
男の子って言いたくて、ついボクって力んじゃった。
「みんな、今日はよろしくね」ニカッ




