97話 カイト、レストランを作りたい
「そうねー、まずは厨房の通りに面した場所、入口に邪魔にならない場所に大きな窓を作って。人が3人並んでも大丈夫なくらいの大きさの窓ね、高さも高いといいな。狭いと圧迫感があるしね。その人たちが腰より上になる高さにして。真ん中から左右に外に向けて開く扉をつけてね。」
「そして、腰の高さって言ったけど、外から見た時は胸の位置に底の枠が来るようにして、枠には外側に長めの台を作って取り付けて、カウンターテーブルになる感じで。そこにらちょっとした料理が出せるような感じに。」
「次はね、頭の上には日差しを避けるための屋根を長めに作ってほしーの。」
ボクの話をブツブツ言いながらイヌマさんは考え込んでいる。ある程度したら理解したのかしきりに頷いていた。
「分かりました、まずは仰る通りに致します」
「ところで内装はいかが致しますか?」
「さっきの続きなんだけど、外から厨房が直接見えるんじゃなくて、外から見た時に1つお部屋を挟んで、その奥に厨房として欲しいの」
「なぜ、そんなことをするんだ?」
そー、パパいい質問だね。
「まず、外から来た試食の人は、先程の大きな窓から試食を受け取るのよ。厨房と窓のその間に部屋を作るのは、厨房を見えなくする意味もあるけど、いつか料理を持ち帰りとか、いつかミソを販売する時の窓口にもなるようにするためだよ」
「うむ、なるほどな。カイトはいずれ試食だけではなく、店内でも食べれて、ミソの販売もできて、料理の持ち帰りもできる、そんな店が作りたいんだな。」
そうそう!やっぱりパパは理解がいいね。
「はい、そうです。」
「そのようにお考えなのですね」
恐ろしい子、こんな発想誰が思いつくというの。この子は絶対に逃してはならないわ。マーシュ辺境伯様も侮れないけどこの子はマーシュ辺境伯様以上ね。この子がまだ4歳だなんて。これからどう成長していくのかしら?すごく楽しみだわ。
「うん、そうだよ。外から試食を出して食べてもらうのはあくまで庶民に対して。あとはミソの販売ね。」
「次にねー、貴族には試食でも店内で食べてもらう方がいいな。4人テーブルや、2人テーブルを余裕を持って配置してね。他にはいくつか個室も欲しいな。商談とか個人的な時にも使えるように、それは出来たら2階に作るのがいいかな?」
「失礼ですが、カイト様。ミソ汁だけで、そこまでお店を大きくしてもよろしいのでしょうか?まずミソ汁を提供して、お気にめせばミソも買っていただく。まぁ、先日のあのとんでもなく美味しい味噌汁、トン汁はとても美味しゅうございました。ただ、人というのは飽きたり、または新しいものに目が移ります。なかなか1つの物だけで商売が続くとは思いません。」
さすが、商売人だけあるな、言ってることは的を得てる。




