96話 イヌマ、カイトの有能さを知る
その日の午後はパパの執務室に呼ばれた。
マージン商会のイヌマさんが来たらしい。
やっと味噌の店頭販売ができるって報告かな?
パパと、その隣にボク。
「マージン商会のイヌマ様がお見えになりました」
「うむ、入れ」
うほー、こんな時のパパは威厳があってかっこいいよねー、こんなイケおじになりたいなー。
「イヌマ、久しいな。」
「はい、マーシュ辺境伯様、大変お待たせ致しました。」
「あれから随分と待たされたが、どうなっておるのだ?」
「お待たせして申し訳ありません。」
「実はミソの販売とミソ汁を出せる店舗をようやく探してまいりました。この物件、立地や建物の雰囲気は良いのですが、少々手を入れなければなりませんでしたの」
なるほどー。いい立地は大事だねー。
それで、それで?
「まずは、貴族対象としたお店となると馬車をお使いになるものですから、その馬車が通れるように店前を整備したりと少々手間がかかっておりました。やっと店前の道路整備が整いましたので、次は店舗の改築に進むことにしたのですが」
確かにねー、貴族は馬車使うから場所取っちゃうよねー。その整備をしていたんだー。それは大変。んで?
「ここで問題が起こりまして、その件で相談したく本日はお忙しい中お時間を取っていただきました。」
なんだろ?
「試食なるもの、凄く素晴らしい企画なのですが、それを店でどのように配り、どのように販売するのか?そのためにはどう改築すればいいのか分からずに、知恵をお貸し頂きたく本日はまいりました。」
あー、なるほどねー。
「なるほど、あい、分かった」
「カイト、その場合の解決策はあるか?」
うーん、そうだねー
「まずね、ミソの販売はしばらくやめようとおもうの。」
「その理由を聞かせてもらおうか」
「はい、父上」
うんうん、ちゃんと人前では父上と言えてるぞ、敬語も大丈夫なはず。
「ミソは、ミソそのままでは食べることができません。必ず何か調理したりしなければいけません。初めての調味料で使い方も分からない未知のミソは、きっと売れないと思います。なので先にミソを使った料理を出したいと思います。」
「うむ」
「そして、ミソの美味しさを知り、料理を知って初めてミソの販売ができると考えました」
ちょっとこの子4歳よね?なんて子なの?
こうも分析した話がなぜできるの?
「そうだな、よく考えたな。」
うっ、やっぱり私の息子はさすがだな。
「分かった、では、ミソを使った料理、ミソ汁の販売からしよう」
「では、その場合、どのように建物を作ればよろしいのでしょうか?」
さぁ、イヌマとボクとの話し合いだ。




