81話 ロープ飛びがしたい
今日のボクはアリと一緒。
ちょっと恒例になりつつあるお庭と、屋敷の裏の小さな森へのお出かけは、ルーク団長やハンス副団長をお供につけることを条件にして週に1度は行けるようになった。
小さな森でも、何があるか分からないからってほんの入口だけなんだけど。
それでも楽しい。
そしていつものようにマールも一緒に歩く。
ボクはアリとテクテク、テトテト歩く。
アリと一緒に二人で手を繋いで歩いてる。
ボクの横にはルーク団長、アリの横にはハンス副団長。マールは後ろから付いてくる。
きっと、他にも護衛がいるはずだけど、ボクとアリの気が楽になるように少し離れたところからボクとアリを見守ってくれているらしい。
らしいと言うのは、そんな護衛がいるってパパから言われたから。
でもボクは会ったことがない。
その見えない護衛は、シャドーって言うんだって。なんかかっこいいなー。
「アリ、楽しいね?」
アリの横顔を見ると、はーっ、ここに天使がいるのよー。
「ねー、たのちーね」
アリ、ニコニコさんだ!
ボクとアリはよく似ているみたい。
ちょっと悔しいけど、アリとボクの背は同じくらい。
ボクと同じ髪質のふわふわな髪。
そして、ボクたちのパパと同じ色。
アリは短いツインテールに赤のリボン。
ぷくぷくほっぺに、右にえくぼ。
くりくりお目目でちょっとタレ目さん。
可愛かよー、はぁ、ボクは妹大好きっ子。
白に花柄のふんわりワンピース。
そんなボクは白いシャツに青のズボン。
みんな、ボクとアリはよく似てるって言うけど、双子じゃないよ。
ボクが4月生まれで、アリは次の年の3月生まれ。
前世だと、同じ学年に妹がいることになるんだよなー。なんか照れる。
とまぁ、そんなことはそばに置いといて。
ボクは緑豊かな庭の景色の奥にある、我が家の小さな森がお気に入り。
初めてミソバチに出会った時はびっくりしたよねっ。けど今では養蜂までしてるんだっ。
ミソバチの味噌はありがたく我が家の食料庫を1つ埋めつくしている。
ミソバチの味噌を熟成させているんだよねっ。最近実は、白みそを作りたいと思ってるんだよねー。白みそで作るミソも大好きだから。
向こうにミソだけの食料庫が目に入ったから、ちょっと思考がそちらに行っちゃったよね。
「今日はよく晴れて気持ちいいですね」
「「うん」」
返事もアリと一緒。
「今日はお庭で何をするんですか?」
えー、なにしよー。
あ、縄跳びいいな。
「あのねー、新しい遊び思いついたの」
「ボクの身長の2倍の長さのロープを用意して欲しーいの、おねがいできる?」
「何をなさるのでしょ?まさか私たちを縛るとか?え?アリアーナお嬢様をお縛りに?え?まさか、カイトおぼっちゃまはそんな趣味がおありで・・・いてっ」
「痛いじゃないですか、ルーク団長、たんこぶできちゃいますよー」
あー、痛そうー。ルーク団長の右手のストライプストレートスイングっ。
え?なにそれって?そのままよ。
ルーク団長ようしゃないなー。
「ねー、そんな趣味ってどんな意味なのー?」
えー、アリちゃん、そこスルーしようね。
聞かないでいいからね、そんな話。
ボクはアリの後ろからアリの耳を両手で塞ぐ。教育にわるいー。あれ?ボクも聞こえなくなった。マール、ボクはそんな話大丈夫だよー、ボクの耳塞がなくていーよー。
怖ー、マール、顔怖いけどー。
アリちゃん、さっきから「ねー、ねー、どういう意味ー?教えてー」ってしつこいよっ。
ん?ルーク団長?いつの間にあんなところに?どーしたの?なにがいるの?
おいでって手招きしてるよね?
アリの意識がそれて良かったぁ、あ、アリ走っちゃだめだよー。
「アリ、走っちゃ危ないよ」
あちゃー、聞こえてないよねー。
「アリアーナお嬢様、走っては行けません、転んだらケガしちゃいますよ」
「えー、なーに、わたちにみせてー」
「「「「「あっ」」」」」
とボクらの声が重なる。
ドテッとて派手に転んだねー、泣くかな?
「大丈夫ですか?」
マールがアリに駆け寄るとアリを抱きあげた。
「アリだいじょーぶ、へいき?」




