8話 愛情は2倍
パパの胸は固いから、あまり居心地がよくない。
だけど、高い高いをしてくれたり、こちょこちょしてくれたり、たくさん遊んでくれる。
……ただ1つだけ問題がある。
ヒゲだ。
ジョリジョリする。
やめて欲しい。
けどパパの「可愛い」って気持ちが伝わってくるから、ボクは悟りを開いた顔でされるがままだ。
今日は
ボクはパパのお膝の上、
アリはママのお膝の上。
今日も家族みんなで仲良しだ。
ママに抱かれたアリが、パパに手を伸ばすした。
パパはアリをあまり抱っこしない。
壊してしまいそうで怖いんだとか。
だから指を出す。
アリはその指をぎゅっと握った。
パパの顔がら、ものすごくデレた。
……うん。
ボクも真似をする。
指を差し出す。
アリはもう片方の手でボクの指を掴んだ。
そして
「あーあー」
と笑う。
可愛い!!
ボクの可愛い妹だ。
アリはボクが守るからね。
「アリッ、カイ、まもりゅ」
(アリはカイトが守るの)
「アリ、カイ、つゅき」
(カイトはアリが大好き)
ボクはせーいっぱい、アリに大好きって言おう。パパもママも、アリも大好きだ。
ボクは今世でもみんなに愛されて幸せだよ。
前世の両親や兄や妹に届かない声を心に呟くのだった。
ボクはパパの腕の中で、
アリはママの腕の中で
ウトウトし始めた頃。
「ねぇ、あなた!私ね、カイくんが生まれて、凄く愛おしくって、もうこれ以上ないってほど幸せを感じたの。そんな時、アリを身ごもったでしょ?」
「そうだな」
ダウニーは愛おしい妻を抱きしめる。
「でもね、本当は不安だったの。カイくんへの愛情は私の心に全部埋め尽くされているのに、アリが生まれたら、カイくんへの愛情をね、半分アリに分けちゃうことになって、カイくんへの愛情が減っちゃうんじゃないかって心配していたの」
「でもね、実際アリが生まれたでしょ?
カイくんへの愛情は全く減らなかったの。新たにアリへの愛情が芽生えたのよ。愛がね、増えたの。」
「アマナ、私もそうだよ、同じ気持ちだ、私たちの愛する子供たちだ、大事に育てよう」
「あなた!ダウニー、愛してるわ」
「アマナ、私も君を愛してる。我が子を産んでくれてありがとう。私も子供たちも愛してくれてありがとう。君は相変わらず美しいな。はっ!どうしよう、明日仕事行きたくない。一日中アマナを愛したい」
「もう、ダウニーったら。私も愛しているわ。でもお仕事も頑張って貰わなきゃ」
抱きしめ合う2人の夜はまだまだ続く!
いつの間にか、ボクとアリはそれぞれの部屋ですやすやお休みだ。




