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転生幼児カイトがいく! 愛されながら異世界を変えちゃいます! ~みんなの笑顔が世界を変えていく~  作者: あんり


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77話 木工商店店主イシュマエル

貴族街にある木工商店。クリーム色の壁にダークブラウンの屋根が目を引く。


ドアや、ガラス窓を縁取る彫刻は見事なもの。木材を扱うため商品は多岐に渡る。


貴族が家族の肖像画を飾るために使う手の込んだ額縁。装飾を施したテーブルに、イス、生活に必要な木製製品が並んでいる。


製品は多過ぎもせず、商品と商品の間の通路は、人が2人ほど並んでも余裕があるくらいである。


その店の店主の名は、イシュマエル。


小さな店から始め、生真面目で人のいい性格もあり、最近やっとこの店を手に入れた。祖父の代から木工業を始め、父が商会を立ち上げ、イシュマエルがここまで店を大きくしてきたのだった。



私、イシュマエルが貴族から御用達頂けたのはあのお方のお陰。マーシュ領主様。

今のダウニー様のお爺様です。


私の祖父の時代から私どもはマーシュ辺境伯様にご贔屓にしていただいております。


なんでも昔、私の祖父が若い頃、当時祖父は木材を自ら森で調達に行っていたようです。その時狩猟狩りで馬から落馬して足を骨折したマーシュ領主様を助けた事からのご縁です。


細々と商いを行なっていた私どもにチャンスを与えていただきました。


それはカイチェアの販売を請け負ったのです。モントルーから仕上がってきたカイチェアを私どもで販売を致しました。カイチェアは小さな子供がいるご家庭で需要がありました。


初めは貴族の方々に大変に人気となり、徐々に庶民まで広がってまいりました。

あちらこちらの貴族様からお買い上げいただきました。予約待ちも2年先までいっぱいです。カイチェアは1人一台ではありません。外用、屋内用であったり。


しかも、子供用だけではなく、年老いた者にも使えるとして大人用も販売され、瞬く間に王都にまで販売は拡大していきました。その勢いは留まる事はないと歓喜に打ち震えたものです。その勢いにのり念願のこの店を手に入れました。


しかし、そこに影が落とされました。


自信を持って販売をしてきましたカイチェアに不良品が出てしまったのです。あの日はちょっとした騒ぎとなりました。


身なりのいい男性とその子どもだという2、3歳くらいの女の子、そしてお付きの男性が店にやってきました。


「カイチェアを買ったが、子どもが座ると前に倒れて、子供が怪我をした」


との事でした。


パンをかじる子どもに、(身なりのいい子供が立ち食いか?)と疑問に思いましたが、今は大人たちに対応しなければなりません。


まずイスの具合を見せてもらいました。右前のイスの足がほんの少し短くなってました。普通に置けば問題ありませんが、子どもがイスに座ると右前に傾いてしまい、危うくまた怪我をしてしまうところを間一髪、私が子どもを抱き上げ、2度目の怪我にはなりませんでした。


子どもが怪我をしそうな瞬間、父親でしょうか?そしてもう一人、付き人でしょうか、慌てるでもなく.........「ほら、見てみろ、こんなイスは使えない。だから、慰謝料を寄越しなさい」と言ってきました。


子どもの心配よりも慰謝料請求するのかと、内心私は憤りました。でも私共の製品から怪我をしてしまった事実は目の前で起きたのです。


私は、謝罪とともに慰謝料として、購入金額の1割金貨1枚をお渡ししました。


不具合のあったカイチェアはこちらで引き取り新しいカイチェアと交換したいと申しましたが、「このカイチェアは母が息子に買ったものだから、手渡したくない。家に飾って置きたいから渡せない」と言って、慰謝料だけ受け取り、帰って行きました。


その後から、街にはある噂が出回り始めたのです。


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