72話 お坊ちゃまは危険人物
「旦那様、セバスでございます。今、お時間ございますか?」
旦那様の庶務室の前でまつ。返事を頂けるまでの短い時間のはずなのに私の思考は高速回転して、思考がヒートアップしそうです。
最近のカイトお坊ちゃまの様子が異常でございます。悪い意味でございません。むしろ喜びしかないのですが、同時に危険だと感じました。坊ちゃんはまだ4歳です。
カイチェアに始まり、詐欺に対してのあのような対策を誰もが思いつくでしょうか?商品に保証書?今まで考えたことありませんでした。あのような完璧な対策を考える能力は敵に回すと脅威です。
そういえばミソの店頭販売を貴族街に作るような話もありましたね。そちらはどうなったのでしょうか?そろそろあちらから連絡がくる頃でしょうか?
しかし、ミソ汁の元となるミソバチ、あんなに素晴らしいものだったとは。これまで誰も関心のなかったミソバチからの味噌の利用法に調理法。不思議ですねー、考えないようなことを思いつくだけではなく、利用法、活用法、疑問、投げかける質問に対しての回答。あれは、まるで大人たちを誘導している気がします。侮れないお方ですね。
坊ちゃんは大事に育てなければなりません。あの頭脳が悪いことに向かわないように、私たち大人が導かなければなりません。
早く大きくお成りなさい。カイトお坊ちゃまが外の世界に飛び出せるように、そしてエルフに会いに行けるように、手助けしたり、見守るのが私の役目ですね。
「あぁ、セバスか。入れ」
旦那様のお声で現実の世界に戻りましたね。
「お邪魔します。旦那様にお伝えすることがあります。」
旦那様、あなたの息子は素晴らしい《《危険人物》》ですよ。旦那様も、奥様も、気づいておいでしょう?
「ちょうど手が空いたところだ、話とはなんだ?」
「奥様からのお願いと、カイト坊ちゃんからのお願いの2つでございます」
「ん、分かった。まずはアマナのお願いから聞こうか?」
なんだ、私の可愛い愛するアマナ。最近忙しいからな、構ってやれんかった。セバスに仕事を任せて、私を愛してとか?構ってとかとか?可愛くおねだりか?おいおい、たまらんな。
は?それならそんなことは私に直接お願いすればいいことだぞ。私に暇を与えてくれとセバスにお願いするはずない。いや、お願い?ダメだ、アマナのお願いとかする時のあのうるうるの瞳、胸を寄せて上げて谷間を見せつけるあの妖艶な、爆弾な、豊満な胸を使ってする、あのお願いポーズは私だけに向けられるもの、私だけのもんだ。ぬぬぬ。セバス、許さん。
「許さんぞ」
「はい?え?私、なにか悪いことをしましたか?」
「ま、まさか!昨日こっそりガリガリクゥステーキを10枚食べたのがバレましたか?私、匂いますか?」
なんだとー?ガリガリクゥステーキ10枚食べただとー!
「大変申し訳ありません、旦那様。旦那様の夜食に本日ガリガリクゥステーキ《《11枚》》用意させます。これでお許しいただけますか?」
11枚か?セバスより1枚多いな、悪くない。ニターッ
「わかった」
「では、お話を戻しまして、奥様よりお茶碗なる物の見本を作りたいとのお願いでございます。」
ん?夜のお願いじゃなく?
「なんだ、そのお茶碗とは?説明してくれ」




