70話 お茶碗を作りたい
「えっとね、どんな感じなのかは作ってもらおうと思うのー、だから見本作りたいから、パパにお願いしてもいい?」
「そうね、お茶碗が想像できないわ。作ってもらう方がいいわね。セバスはいる?」
「はい、奥様、ここにおりますよ。先ほどの坊ちゃんが仰っている【お茶碗】とやらの見本を作る手配でよろしいでしょうか?」
えーセバス、いつから居た?どっから話聞いていたのー?もうそこに疑問持たないママもみんなもどうなのー?
しかもー、相変わらずの地獄耳~。
「ええ、そうね」
あ、そうだ!そうそう!お茶碗は木がいいよねー。
「ママあのね、お茶碗はガラスで作ることになるの?」
「そうね、そうなるわね」
「ガラスでもいいけど、持って食べることを考えたら」
「待って、カイくん。お茶碗とは、持って使う物なの?」
「うん、器に直接口をつけて汁を飲むんだよー。」
「え?直接口をつけて汁を飲むなんて、それは淑女としては、あるまじき行為になりましてよ」
そっか、そう思っちゃうよね?
でもボクの中では違うのー。やっぱりお茶碗は手で持って汁を飲んで、お箸で食べないと。
お茶碗と一緒にお箸も欲しいなー。でもお箸はまだ難しいかもー。簡単に使えるような物じゃないしねー。まずはお茶碗から流行らせて、お箸はもう少しあとかな?
「ママ?あのね?あんなに美味しいのをちょっとづつ、ちょっとづつスプーンですくって飲むの大変じゃない?直接飲む方が器に口が隠れるからいいと思うし、溢さなくていいんじゃない?」
「そうかしら?想像つかないわね」
うん、うん、もう少しで説得できそー。
押しちゃえ、押しちゃえー。
「お茶碗はそんな物だって本にも書いていたよー。」
「それでね、ガラスだと直接口に触れると熱くて大変だし、危ないのー。だから木で器を作るといいんじゃないのー?木の方がガラスよりは熱くなていいんじゃないかな?って思うのー」
「なんと?坊ちゃんはそんな気遣いまでできるなんて、偉いですね」
「そうねー、木の器ねー、ガラスには華やかさがあるわ、木には温もりがあるわね。どちらも作ってみてもいいかもしれないわ。セバス手配お願いするわ」
「承知しました、奥様」
うんうん。そうこなくっちゃ。
「ねー、セバス。お茶碗のイメージはボクの頭の中だから、工房にはボクも連れて行ってほしー」
「工房ですか?そうですねー。旦那様に許可を得ねばなりませんから、旦那様に話を通してきますね。坊ちゃん、それまでお待ちくださいね」
「うん、わかった。」
早くママの部屋から出ないとマールもみんなもオシッコ漏れちゃう。大人でお漏らしは嫌だよねっ。




