51話 うっかり言ったら聞こえちゃた、ママは地獄耳
「カイくん、ママの真似したりして、なーに?もう、可愛いわ」 ムギュッ
「ママ、ちょっと、く、くるしぃ」
苦しくても、ママのぎゅうは最高に幸せだから、ボクもママをぎゅうぅ、しちゃった。
「あ、カイくん、ごめんね」
そうボクに謝り、次は優しく抱きしめてくれたママ。だーい好きだょー。
ママも、その柔らかな、お胸もねっ。
「カイくん、色々教えてくれてありがとう。庭師に手伝って貰うから、カイくんの知恵も貸してくれたら助かるなー。いいかな?」
「うん、わかった」
「では、もうお部屋に行かなきゃね」
「うん、じゃ、ママ、ボクお部屋に戻るね」
「そうそう、もうすぐ夕食のお時間よね~。マール、今日の夕食は何かしら?昨日は魚汁だったわね、今日はトン汁かしら?」
「ええ奥様、今日はトン汁でございますよ」
「そ、楽しみにしておくわね」
はーっ、確かに美味しいさ。
けど、けどもさ、ちょっとさ。
豚汁も、魚汁も。
美味いよー、確かに美味しい、け、ど、も、だよ、ずーっとこの2つばかり繰り返してるもんなー。別のも食べたいよなー。
毎日味噌汁は良いよ、ボクは元日本人だから毎日だって、問題なーい。
けど、同じ具材ばっかって、飽きるって、てか、もう飽きちゃった。
「別のお味噌汁作ればいいのに!」
ボソッ
え?なに?ママ?マール、みんな?
なんでボクを見てるの?え?う?
「カイくん、その話、もっと詳しく教えてちょうだい。ね、みんなも、知りたいわよね~、別のお味噌汁ってなあに?」
いやん、みんな、捕食者の目じゃん。
なに?なに?ボク食べられちゃうの?
待って、それは10年くらい後にしてっ。
「お魚や、豚肉だけじゃない、新しい味噌汁欲しいなーって。だからゴードンと相談してくるね、新しい味噌汁出来たらいいねー、そーだよね?」
ママも、みんなも、目がやばいよ?
そんなにキラキラしてるの、すごいよ。
食の楽しさ、知ったねー。
そうだよ、そうこなくっちゃ。
うんうん、みんな、頭を縦にコクコク。
「期待してていーからね、楽しみにしてて。じゃね、ママ」
「あの、待って、カイくん。それって、新しい味噌汁は今日の夜ご飯に間に合うの?」
あはは、それは無理だよ、ママ。
よっぽど期待してんじゃん。
「さすがに、今日は無理だけど」
って、そんなに残念そうな顔しちゃう?
ウケるけどー!
「まずは食料庫見て、材料選んで、作ってみて、美味しかったら、みんなにも食べてもらうから、それまで楽しみは取っておいてね」
「わかったわ、楽しみにしてますよ。新しい味噌汁が出来たら《《すぐに》》ママにも教えてくれるかしら?
ママー、なーに、流し目してんのー。
ボクはママの息子だからね。流し目するのはパパと2人っきりでムムムの時だけにして~!
「うん、一番にママにほーこくするね」
「じゃ、またね」
ふーっ、大変っ。
新しい味噌汁って小さい声で言ったはずなのにさ、聞こえてたねー。
そっからのママ、期待しすぎっ。
けど、まー、ママに期待されるのはうれしいからボク頑張っちゃおー。




