283話 白虎との従魔契約
「カイト、話しかけて良いか?」
ん?陛下のおじいちゃん?
「キノセイ様、私はこの国を治めるこの国の王であり、またカイトの祖父でありますデュラン·ブラウン·イスカダルと申します」
「ふーん、そう」
いや、キノセイ、お願いだからもう少し気にして?陛下よ、この国の1番トップよ、エンペラーよ。
「ちょっとキノセイ、もう少し陛下を気にしてあげて」
「私はイカルダの女神様の使い。この世界を収めるイカルダの女神様の使いなのだ。一国の王だかなんだか知らないな、私が興味があるのはカイト、お前だけだ」
えー!もう少し周りみてよ。気を使おうよ、ボク、なんだか気まずい。
「それは失礼致しました。」
おー、陛下のおじいちゃん、邪険にされてるよね?そこ気にならない?
「キノセイ様、まずは先程の兵士を助けていただきありがとうございます。」
「いや、助けたのはカイトだ」
「そうです。しかし、先程の話からは、あの兵士の足をキノセイ様が引きちぎってくれたから、新しい足が出来たと聞きました。本当に本当にありがとうございます」
「ああ」
陛下のおじいちゃんはキノセイにお礼が言いたかったんだね。
「それと」
ん?まだ何かある?
「キノセイ様はカイトをこれからどうするのですか?」
どうする?
「私はカイトを守り、助ける、それだけだ。イカルダの女神様との約束だからだ。その約束を守らなければ、私は自由になれない」
「イカルダの女神様との約束だ。100回カイトを守り、助ければ私の役目は終わる」
え?回数なんてあるの?
「これから、カイトと私は従魔契約を結ぶ。結んだら100回カイトを守る、助ける」
え?従魔契約?聞いてないよ?
「カイト、私を従魔にしなさい」
え?従魔にするのに、なんか偉そう。
あ、実際、偉いのか。
「え?それって必要?」
「ああ。だからカイト、お前の血で私と契約だ」
えー、血?また血?
「えー、痛いのやだ」
「おい、カイト。キノセイ様になんて口をききんだ。ダメだぞ。」
私の心臓の寿命が縮まる!
いやいや、陛下のおじいちゃん、キノセイって初め会った時、こんなに偉そうに話さなかったよ。
「キノセイがボクを守って、助けるのがキノセイが自由になれる唯一の手段なんでしょ?」
「ああ」
「分かった。キノセイとの従魔契約、ボクの血が必要って、どうするの?」
「私がカイトを引っ掻くから、その時の血を私の額の石に吸わせるのだ」
え?なんか怖くない?
「え、痛いのやだよ」
「大丈夫、痛くしないから」
なんかあまり言われたくないセリフ。
「大丈夫、優しくするから」
うん、ボク、やっぱり言われたくないセリフだね。
「だめ?」
ダメじゃない
「分かった」
周りのみんなはただ唖然としてボクたちのやり取りを見ている。見ている?いや、見守っている?
パパはどうしていいか、考えているのかな?なんかハッてしたり、眉間に皺を寄せたりしてる。
「お待ちください、キノセイ様」
「なんだ?」
「カイトの祖父として質問します。カイトを守って頂ける、そのためにはカイトとの従魔契約が必要。その従魔契約にはカイトの血が必要なんですよね?」
「ああ」
「先程、カイトを引っ掻いて血を出す、と聞こえましたが、キノセイ様に引っ掻かれたらカイトはかなりの大怪我になってしまうのでは?」
陛下のおじいちゃん、果敢に聞くね。
そうだよね、《《今の》》キノセイがボクを引っ掻くと、もしかしてボク、大怪我になっちゃうんじゃない?
え?痛いのやだ。
「私も、いくら契約だからと言っても、目の前で息子が白虎に引っ掻かれるのは見ていられないです。」
「ボクも怖いの、痛いのやだ、キノセイ小さくなってよ、この前みたいに。」
「ああ」
白虎のキノセイは、あの白い猫になった。
「ニャー」
やっぱりこっちの方がいい。
「うん、この姿なら安心」




