277話 剣とスティクの意味と王妃のお茶会への誘い
「そうだな。確かに危ないぞ。だけどあえて5歳の誕生日に親が子に渡すんだ。危ない物の扱い方を小さい時から教えるんだ。」
「今、このイスカダル国は平和だが、国境では隣国との小競り合いが絶えないんだ。いつ戦が起こるかわからん。もしも、助けてくれる大人がいなかったら、自分の身は自分で守らなければならない。相手が人だと限らんらな。」
それって魔物とから魔獣とかってこと?
「魔物だったり、魔獣だったりすることもある」
「生きるために戦うことがある。大切な何かを守るために、人は戦う事があるんだ。戦うためには、戦い方を知らなければ、戦えないだろ?戦い方を知るために5歳からは訓練するんだ。剣の使い方。危なさ。ちゃんと覚えないといけない。だから、屋敷に帰ったらカイトには早速剣の使い方を教えて貰うために教師がつく事になっている。」
「貴族は特にそうだな。5歳には親から子どもへこのどちらかを渡されるな」
あれ?ボクは両方渡されてるけど?
「あとは、魔法だな。このスティックは魔法の威力を高めてくれるんだが、魔法を体から放出してくれる役目もある」
「魔法を取得してすぐ魔法が使える子はそうそう居ないんだ。魔法を始めたばかりの頃は体内に魔素が上手く循環できてないんだ。だからすぐには上手く使えないんだ。」
「カイトは全属性の魔法が使える。ただ使えるで終わってはいけないぞ。ちゃんと使い方を知らなきゃいけない、ちゃんとした使い方を分からない子どもの魔法は危ないからな。このステッキを使って、自分から使える魔法の出し方を訓練するものなんだ」
へー、そうなんだ。ちゃんと魔法を使えるように必要なスティック。そして自分を守るために剣の使い方を習うんだね。
「男の子には必ず剣はプレゼントするんだ。ただスティックは魔法が使える子にしか渡さないけどな」
なるほどー。
ボクは男の子だから、剣が貰えた。
ボクは魔法属性があるから、スティックももらえた、っことだね。
「だから、カイトには両方渡すんだぞ。大事にちゃんと使いなさい」
渡された剣もスティックも、ボク達マーシュ領の印が入っている。
「パパ、ありがとう。大事に使わせてもらうね」
「ああ、大事にしろよ。あとは、屋敷に帰ったらちゃんとママにも礼を言うんだぞ、いいな」
「うん、ちゃんとお礼する」
「さて、カイト、実はな、言い忘れた事があるんだ。言い忘れたというより、言いたくないんだが」
ん?言い忘れたこと?言いたくないこと?
「実は、明日、怪我人を治すことになっただろ?その後なんだが」
ん?
「おばあ様からお茶会にお呼ばれだ。私ではなくカイトがな。」
え?本気だったんだ。
「それで悪いんだが、孫自慢大会に付き合って上げてくれ。1度だけでいいんだ。頼めるか?」
孫自慢大会!響きがのど自慢大会みたい。
違うけど。カラオケかー、久々行きたいなー。そういえば娯楽にのど自慢大会いいかもね。これなら女性を中心とした祭りになるじゃない?よし、後で相談だね。
そーね、孫自慢大会ね。
えー?別にいいよ、お茶会でしょ?
「うん」
「そうか済まないな。おばあ様の機嫌もこれで良くなるはずだ。本当に毎日毎日、はーっ」
パパ、大きなため息、どうしたの?
「ん?毎日どうしたの?」
「パパのところに毎日、おばあ様から手紙が届くんだよ。《《私はカイトちゃんと一緒にお友達といつお茶会ができるのかしら?今日?明日?》》って書いてあるんだ」
えー、おばあ様、ウザっ。
「パパ、大変だね」
「カイト、察してくれてありがとう。すまないがよろしく頼む」
「うん」
明日、午前中にペットボトルの聖水で兵士さんの傷を治して、午後は王妃のおばあちゃんと、そのお友達のご婦人たちとお茶会だね。明日も忙しそうね、頑張れ、ボク。




