272 全属性魔法を授かる
「はい、なんでしょうか?」
ぜーったい寄越せっていうよね?
「ええ、そうよ、私食べたことない料理ばかりだもの。」
えー、どうやって渡すの?ボク、もうすぐ、領地に戻るんだけど?
「それ大丈夫」
え?遠いよ、大変だよ、面倒臭いよ?
「そんな事言わないで」
ん?あれ?さっきからの違和感。
あ、ボクの思考読んで会話してない?
「そうね、カイトが、思ってること全部分かるわ。それよりも、ね、お願いよ、食べてみたいの」
「ボクの領地からここまで馬車で2週間かかるんです。だから無理ですよ」
「ね、どうにかならない?そうそう、カイトがニコイチした、あのベリデリも食べてみたいわ。すっごく美味しいのでしょ?」
「美味しいですねー」
「だから絶対に食べたいのよ、そのためにマーシュ領に神殿を建てるから大丈夫よ」
「神殿を建てちゃうの?」
びっくりだよ、そんなに食べたいの?
「ええ、だって美味しそうだもの、食べたいじゃない?食べたいに決まってるわ」
そんなに?やっぱりちょっと残念な感じが否めないよ、大丈夫?
「残念って酷いっ」
いや、泣いてないでしょ?ふりだよね?
それって不利だからね。
「チッ」
え?女神様が舌打ち?
「あら、そんなことしてないわ」
ボクの疑いの目に、女神様は視線を泳がせる。
「あ、そうだわっ」
話すり替えた。
「あのスライムの核を壊すと消滅するのが、当たり前じゃない?それがカイトが作ったイカルンスミミソ汁?それ与えたら増殖しちゃうんだもの、増殖したスライムは核を壊しても消えずに溶けて固まる?その原理を利用してコーティング?」
「そうそう、ミソバチ、あれは絶対にウンコの匂いよ、それを発酵させて食べるなんてね、そもそもこれが色々な始まり。」
「料理だけじゃないわ。定規?表、筆算、貸借対照表?そんな仕事に使えるなんて、便利になるじゃない!」
「あの、試食?ただで食べさせて見て買わせる。次はお試し価格?その後も販売促進?私でも買うわ」
うわ~、本当に見てるんだ。
「見てるわよ、うふふ」
うふふって、ボク、ちょっと女神様がストーカーに見えてきた、ちょっと引くっ。
「え?わっ、やだ。ストーカーじゃないわよ、見守りよ、変な女神じゃないわ」
そう?ボクにとっては、なんか残念な女神様にしか見えないんだけど?
「カイト、私の事残念って、酷くない?」
「ごめんなさい」
「あなたを異世界に転生させたから、ちゃんと馴染んでいるのか?ちゃんと生きていけるのか?《《気にかけていたの》》カイトの性格が明るかったから良かったのね、今は安心して楽しんで見守ってるわ」
《《見守りねぇ》》とりあえずは
「ありがとうございます」
それはそうと
「あのー、女神様、ところでボクはどんな魔法が使えるようになりますか?」
「あ~、そうだったわね。そうね、あなたにはどんな魔法がいいかしら?」
え?くれるなら全部欲しい。
ボクのお願いポーズ。
「はぅ、可愛い」
効くね
「効いたわ。そうね、カイトにはもっとあの国を豊かにして欲しいわ。生活もそして食事も。今も充分頑張ってくれてるけど、これからも頑張って欲しいわ」
がんばるけど、でもボクはそこまで大したこと出来ないかもしれないけど、いいのかな?
「大丈夫よ。そうね、カイトには私から魔法を授けるわ、何がいいかしら?カイトなら魔法を便利に使ってくれそうだわ。いいわ、今回は特別、全属性魔法を与えましょう」
え?いいの?やった!
ありがとうございます。
そうそう、誕生前にもらったギフトの鑑定、合体も使えるよ。
ただ調合がまだ使えないんだよね?
どうやって使うんだろ?




