271話 イカルダの女神様と再会
平民たちの魔力鑑定が終わり、いよいよ貴族の子供たちの鑑定だ。
だんだん、ドキドキしてきた!
「こんにちは。カイト様」
ん?だれ?
茶色の髪に黒い目をした男の子かな?
あれ?女の子かな?
とりあえず挨拶大事。
「こんにちは。」
なんか見覚えがある。どこかであった?
「ボクは・・・・・・えっと、カイナンです。カイナン·ワーズ·サンデーです。覚えてませんかっ」
やば、天使やん。
この子、男の子か~残念。
ん?あれ?今ここにいるのは貴族だよね?
貴族の子供に知り合い?どこでかな?
あっ、あー、思い出した。
「えーっと、もしかしてボクの屋敷に母上のお茶会の時に来てくれてたよね?」
「はい」
にこーって笑うと可愛い、めちゃくちゃ可愛い。でも髪短いしね、やっぱり男の子だ。
「お誕生日おめでとうございます。」
「ありがとう。君も今月誕生日なんだね、おめでとう」
「ありがとうございます。」
「魔法、何が使えるか楽しみですね」
「そうね、楽しみ。」
ママお茶会をした時はかなり幼かったけど、同じ年だったんだね。あの時は恥ずかしがってお母さんの後ろに隠れてたし、幼児言葉だったのに、成長したね~。
考えたらボクにお友達がいない。
あの時お友達になれたらって思ったんだよね。
「ね、良かったらボクとお友達になろうよ」
名前はカイナン·ワーズ·サンデー、サンデー伯爵の次男だった?
うん、腰紐が赤だから伯爵家だね。
「はい、喜んでっ!よろしくおねがいします」
いや、可愛い。
「では、次、カイナン·ワーズ·サンデー」
「あ、はい」
行ってらっしゃいってお手振りで送り出す。
カイナン君は魔法あるのかな?
ボクは見守ってる。カイナンくんは、うん、喜んでるね。なんかの魔法が使えるみたい。ボクの視線に気がついて小さく手を振ってくれた。ボクも手を振り返す。
貴族の子達も次々に祝福を受けて行く。
さあ、次はボクの番!
「カイト·ブラウン·マーシュ」
「はい!」
いよいよだ!
ボクはみんなと同じように水晶玉の前に立つ。
ボクの目の前には神官長がいる。
「カイト様、用意はよろしいですか?」
「はい、よろしくお願いします」
「賜りました。では、こちらに手を置いてください。」
神官長に促されて、ボクは手を水晶玉に乗せる。
ピカーッ!
なになに、なんて光、眩しいーっ。
あれ?みんな、止まった?え?
キョロキョロ見渡すボク。
「カイト、ここよ、ここ、ほら上向いて」
え?だれ?急にこわいんだけど。
恐る恐る見上げると、ボクが知っているイカルダの女神様が、ボクに手を振ってる。
なんか懐かしさ、いっぱい。
うん、相変わらずのちっぱいだね。
「カイト、今からあなたを私のところに呼ぶわ」
ちょっとー、決定なんだね。
あっという間に、連れてこられた。
「カイト、今の世界を楽しんでるわね。」
「ボクの事知っているの?」
「ええ、見てるわ、ほらあれで」
女神様が指さす先には子ども用のビニールプールサイズくらいの水瓶がある。
え?これで見てるの?なぜ?
「だってあなたを見てると楽しいもの。なかなか色々してるわね。」
そう?ただ、生活を快適にしたいだけなんだけど?
「間違いなく快適よ。いいわね。それに、美味しそうなもの食べてるわ、私には何も無いけど」
「豚汁も、ぽーぽーも、黒砂糖も、ガリガリクゥステーキも、ポテイトゥーのフライも。……食べたこと、無いわ。」
へー、そうなんだ。
ボクは口笛を吹いて誤魔化す。
言いたいこと、何となく予想できちゃう。
「ねぇ、カイト。カイくん、カイトちゃん?ね、無視しないで。ねぇ、カイトってばっ」




