27話 もふもふカイトはオーク肉が苦手です
うーっ、寒ぃぃぃぃーめちゃ寒い、なに?冷凍庫?
なに?ボク凍っちゃうよ
「坊っちゃまこれを着ましょうか」
セバスが差し出したのは、なにかの皮で作られたモフモフのフワフワの、ガウンのようなもの。そして、ボクの腰で巻いているのもなにかの皮を使った紐みたいだ!
あったかーい、これなら寒くないぞ。
「セバス、ありがとう、温かいね」
「それはようございました。この土地は雪が降らず年中暖かいですからね、このような防寒服は不要なんですが、坊っちゃまが食料庫をみたいと仰ったので、旦那様がお坊ちゃま用のガウンを作るように指示を出されたのですよ。これができるまでは寒さ対策出来ませんからっ、やっと出来上がったガウンですよ、なので、お待たせ致しました。」
「パパにありがとうって言わなきゃね」
ニカッ
「う、お坊ちゃまの可愛さ、うっ、たまらん」
だから、セバス、また目がハートだからっ。もう、無理、無視だぞっ。
そこー。ゴードン、お前もかっ!
「セバス、案内して」
「かしこまりました。では、早速」
「こちらは、コッコウっ肉でございます」
コッコーって、もしかして鶏肉?!
やったー!ボクはガッツポーズをする。
「お坊ちゃま、そのポーズはなんでしょう?あ、持ってみたいのですか?お坊ちゃまにはまだ無理かもしれません」
「ボクにはまだ持てない?」
「はい、落とすと大変ですから、やめておきましょーね」
「わかった。じゃ、あのお肉はなあに?」
「これは、オーク肉でございます」
オーク?オークがいるの?人型の体に、豚の顔した魔物だよな?人型ってむりー!
「これは、非常に美味でしてな」
えー、美味しぃのー?まじか?
「えぇ、坊っちゃまがお肉、そろそろお召し上がるころでしょ。これまではすり潰したり、形をなしてないものばかりでしたね。お父様の大好物ですよ。だから、定期的に仕入れております。ほら、この辺りは全部オーク肉ですよ」
「うん、わかった、次行こー」
ボクは吊るされてる肉が、オーク肉だと知って、元地球人の、ましてや元日本人のボクとしては、ゾッとする気がして、早めにこの場を去る事にした。
うっ、吐かない、大丈夫!
「さ、坊っちゃま、次の倉庫に参りましょ」
ちょっと気分が悪くなったのに、気づいたかな?さすがセバス。
外に出て、フーって息を吐く。
気分変えなきゃ、セバスとゴードンが心配しちゃう。
「豚肉とか、牛肉は無いの?」
「ございますよ。カイトお坊ちゃまは、豚肉も牛肉もご存知でしたか?賢いですね」
「うん、食料庫に行くって話をしたらマールから色々教えてもらって覚えたんだよ、すごいでしょ、ボク、すごい?」
「はい、カイトお坊ちゃまは、賢いですね、マーシュ家も安泰ですね」
笑顔で目を細めながらセバスはボクの頭を優しく撫でた。
本当は家令が、仕える家の子息の頭を撫でるのは不敬かもしれない。
でも、いいんだ。セバスは今日はボクにこの世界の食材を教えてくれたセンセイだから。
そう!そう考えとかないと、ねっ。
ボクは何となく危機感感じてそっとボクのお尻を隠してる。セバスに気づかれないように。
「あれ?お坊ちゃま?いかがなされました?もしかしてお花を詰みたいとか?」
「ちがうよっ」




