269話 祝福の儀式が始まる
こちらも同じく白い壁の続く真っ直ぐな廊下。左右にはドアがあって、ほぼみんな同じタイミングでシスターに連れられてボクと同じ年の子達が出てくる。
みんな同じ白のワンピース。違うのは腰紐だけ。
ぞろぞろと右回りで神殿内を回り、中央の広場に集まっていく。
退場する時は左回りからでていくらしい。
これもシスターローズが教えてくれた。
みんな緊張しながらも、期待に満ちた顔をしている。
時間なると式典が始まる。もう少しだね。
まず初めに神官長に挨拶があり、それはみんな揃ってする挨拶の仕方なんだって。
あのポーズだよ、大丈夫かな?
神殿では、大聖堂の一番高いところに神官長がいて、子供たちはその膝元に集められて、祝福を授けて貰う流れだったね。
この中で爵位が高いのがボクだからボクは1番前の中央。左右にその後ろに貴族列、そして平民列が並ぶ。
神殿の中央に集められたボクたち。
少しだけわさわさしてる。
前には舞台になっていて、その先には銅像がある。
あれ?イカルダの女神様?
《《ボクの知っている》》イカルダの女神様じゃない、あれ?ん?だってこの女神様は、お胸が豊満すぎる。でもボクが知っているイカルダの女神様はちっぱいだよ。これ女神像作るの失敗じゃない?
ちっぱいで失敗、あはは、ウケる。
「神官長が入ります」
声が響く、これ風魔法の使い手だね。
ここにもいるんだね。声を届ける人だね。
さっきまでの空気が引き締まり、みんな神官長を見ている。
神官長、でかい、ものすごく成長したんだね、横に。前に。
栄養が足りなくて、太ってる人はほとんど居ないこの世界で、これだけ丸くなれるのかが感心。不思議。疑問だよね。でもね、うんと優しい顔してるね、ニコニコだよ。
「ようこそ、みなさん。今日は春の誕生日の認定日です。ここにいる皆さんはめでたく無事に5歳を迎えられましたね?」
「「「「「「「「はーい」」」」」」」」
「はい、いいお返事ですね。そして、お誕生日おめでとう」
「「「「「「「「「ありがとうございます」」」」」」」」」
神官長、めちゃくちゃ優しー。
めちゃ優しいおじいちゃんじゃん。
「では、これからは皆さんの名前がここ登録されます。登録されたという事は、このイスカダル国の立派な国民ですよ。それと、誕生日を迎えたという事は、イカルダの女神様から誕生を祝う祝福をいただくのです。さあ、何を頂けるのか?楽しみにして下さいね。」
「「「「「「「「はい」」」」」」」」
うん、みんないい返事。ボクも元気な声で返事しちゃう。
「では皆さん。イカルダの女神様に感謝の祈りをします。やり方はお家の人に習いましたよね?準備はいいですか?」
「「「「「「「「「「はい」」」」」」」」」」
神官長は、神官長の後ろにある女神像に振り返りあのポーズをする。
ボク達5歳児軍団も、シスターの誘導であのポーズを胸の前で用意。
次は、神官長の「イカルダの女神様に感謝」って言ったら、ボク達もその後に続けて同じセリフを言って、両手を前に出すんだよね?
チラッと周りを見るとみんな祈りのポーズで人差し指を立てている。
目は閉じて、真剣にお祈りポーズだ。
ボクも同じようにスタンバイ。
「行きますよ。では、イカルダの女神様に感謝を!」
神官長が腕を前に突きだす。
「「「「「「「イカルダの女神様に感謝を!」」」」」」」




