268話 イカルダの女神様の祝福へ
「朝だ朝だーよ、希望のあーさーが·····ん?」
なんだっけな?続き忘れちゃった。
ちょっとお寝坊したけど気持ちよく起きれたよ。ぐっすり寝れた!
パパがボクを抱きしめてくれてたパパの温もりが気持ちよすぎ。
「おはよう、カイト。眠くは無いか?」
「うん、大丈夫。今日神殿に行くでしょ?どんな魔法が貰えるか楽しみなのっ」
「ああ、そうだな。待ちに待った日だからな」
「うん」
朝のお迎えに来たメイドさんに連れられてパパと一緒に朝ごはん。
そして、着替えたよ。ママが選んだ今日のための服。パパとお揃い。
さあ、気を引き締めて。
それと、ペットボトルは何があるか分からないから必ず持っている。
外は、あまり普段とか変わらないはずって思ったら、違った。王位継承権を持つ辺境伯嫡男のボクの誕生日を祝う為にお祭り騒ぎだったー。春だからもあるはずだけど、花々で街が彩られていて、街頭にはボクの出待ちの人だかり。びっくりだよ。
まだお披露目されてないからかな?
「カイト様ー、お顔見せてくださーい」
「カイト様、お誕生日おめでとうございます」
「カイト様~」
物凄い声援。馬車が中々進まない。
今日初めて見る王都の街並みは、凄く大きな街で、凄く賑やかだ。
「カイト、少し顔を見せてあげなさい」
パパに促され窓から手を振るボク。
「きゃー、カイト様、可愛い。」
「第二王子殿下に似ていらっしゃるわ」
「あら、カイト様の後ろに第二王子殿下もいらっしゃるわ、は~素敵っ」
「まあ見てカイト様、お手振りしてるわ、可愛いー、私と目が合ったわ」
うわ、凄いね。圧倒されちゃうね。
ボクが手を振ると黄色い歓声があがる。
ちょっと恥ずかしい。
顔の赤いご婦人たちがこっち見て照れてるーって思ったらボクの後ろでパパがにこやかにご婦人たちに手を振ってるし。
チェッ!アイドル気分だったのに。
そんな街並みを進むと、先には一際目立つ真っ白く大きな教会らしい建物が見えてきた。いちばん高いところには十字架が立っていて、十字架の根元から、四方八方に旗が掲げられていた。
おー、これ、応援旗じゃん。しかもマーシュ家の旗もある。ライオンに跨る勇者的な人の旗、あれは国家旗だね。多分あれ祐仁さんだと思う。
他の見慣れない旗も混じってるけど、どこの領地のか分からない。
あの祭りのあと、陛下のおじいちゃん、応援旗作らせたんだね、どれだけ素早い仕事してるの。
春の澄んだ青空にはためいてる連なるいくつもの旗、すごくいい。
5歳の誕生日は、この世界では大事。
イカルダの女神様からの祝福を受けて初めて、名前を国に登録される。
前世の戸籍みたいなものだよね。
改めてボクもちゃんと登録される。
そして公にお披露目されるのがその後の誕生日パーティーだ。
平民もこの5歳の誕生日は祝うらしい。
この世界の5歳までの生存率は低いみたい。10年前のひと昔に比べてまだ良くはなったみたいだけれど、それでも5人に1人は5歳に満たずに命を落とす。
5歳までに体が免疫を得て、丈夫になっていくと生存率がグッと上がる。だから5歳まで無事に過ごせたことを祝って、住民登録される仕組み。きっと、これもよくある転生したラノベのテンプレと、この世界も一緒だ。
あとは魔法を授かった子は、魔法を活かせる職業に向かって、その道の修行についたりする。平民はまだ5歳だから本格的ではないけれど、10歳には本格的に弟子入りするよう。
「さあ、カイト、神殿に着いたぞ。降りるぞ」
「うん」
「では、着替えに参りましょう」
ボクを着替えに連れて行ってくれるのは、シスター達。他の子も数人いるけど、シスターになれていないみたいで、親と離れるのが怖いのか泣いてる子がいる。
ボクの着替えを担当してくれるのは、シスターの中でも高位の方らしい。
ミセス ローズと名乗ってきた少しキツめに見える美人さん。バラには刺があるっていう言葉がぴったりな気がする。
そのミセス ローズさんに個室に招かれ着替えさせてくれた。マールがレッスンの時に着せてくれた白の頭から被るワンピースとは少し違う。胸のところには、城の内壁みたいな感じと同じような白の蔓草模様が胸の中心から左右に伸びている。
「カイト様、こちらの腰紐を結びますね」と言われて、ボクは青紫の腰紐だ。
キレイに結んでくれて、用意は完了。
「では、参りましょう」
ミセス ローズに案内されてパパの所へ。
「カイト、似合ってるな」
「ありがとう」
ほんの少しの間、パパと会話をした。
「では、カイト様を神殿にご案内します」
「ああ、よろしく頼む」
「カイト、パパは見守っているからな」
「はい、行ってきます」
うん、楽しみ、どんな魔法を貰うんだろ。貰えるよね?




