265話 夜中の外出がパパにバレる
辛いって言うのがあまり分からない。
よし、あとで試してみよう。
「あと、聖水はどれくらいかければいいんですか?」
「ああ、それは傷が塞がるまでだな。聖水をかけるとみるみるうちに傷が塞がるし、怪我も治っていく。原理は分からない。」
「私が異世界に持ち込んだものは、神具化しているな。カイトは私のカバンを見たか?あれは便利だぞ。なんでも入る。そのカバンに入っているのをカイトが好きにしていいぞ。もう私には必要の無いものだから、カイトにあげよう。」
「カバン?」
ボクはカバンに見覚えがない。
あの部屋にカバンなんてあったかな?
今度また見せてもらおう。
「知らないか?私の名前が内側に書いてある。ユージンではなくヒロヒトとな。もし見つけたら保有者変更の手続きをしよう。その時はまたここに来なさい」
「はい、分かりました。探します。」
「ああ、そうだ。私のカバン、あれはアイテムボックスなんだが、稀人でない者が使っているのなら単なる少し物がたくさん入る、そんな程度だ。だがな、私が使っていた時は無限に入ったぞ。色々と入っている。カバンがみつかったらここに持ってきなさい。その時に説明しよう」
「分かりました。そのカバンはどんなものですか?」
「リュックだよ。焦げ茶色のな。見たら分かる。リュックなんてこちらにはないからな」
「分かりました、探してみます。」
そうそう、もうひとつ聞いておかなきゃ。
「あと、ボクがここに来たこと。あと祐仁さんとお話できること、この事は誰かに話してもいいですか?」
「いや、止めておいた方がいい。あの肖像画はカイトの魔力を借りて動いていたものだ。私ではない。そしてここに来たことは誰にも言わないでくれ」
「それは何故ですか?理由を聞いても?」
「誰かれ来られても私が困る。疲れるんだ。あとカイトは稀人、そして私の子孫、だからここに来れたんだ。」
「分かりました。では内緒にします」
「時々遊びに来てもいいですか?」
「ああ、時々ならな」
「さあ、そろそろ帰りなさい。」
「はい、ありがとうございます。また遊びに来ます。ヒロヒトさん、ありがとうございます」
気づいたら祐仁さんの肖像画の前に立っていた。
さあ、帰ろう。
肖像画のほのかに発光する光が頼りだ。
さっきはお城の玄関先。
また兵士達がいても困るね。
どうしよー。あ、玄関の内側に一旦移動して、そこからマーシュ家玄関に移動しよう。そうしよう。
シュン!お、ここは王宮の玄関内側だね。
よし、次はボク達の屋敷の玄関だ。
玄関先なら兵士がいるから、だからやっぱり玄関先の内側がいいね。
シュン!よし、誰もいない。
じゃあ、魔力も大丈夫だから、ボクの部屋まで移動しちゃおー、おー!
シュン!着いたー。「ただいま~」
なぜか、帰ってきたと思ったら無意識に口に出しちゃうよね。
ご飯前の【いただきます】や食べ終わったあとの【ごちそうさま】のようにさ!
「おかえり。カイト、どこに行ってた?」
「ぎゃー」
びっくりした、やばい、見つかったー。
怒られるー。パパ、めちゃ怖い。
仁王立ちで、ランプを持ってるから、下からのランプの灯りでパパの般若な顔が見えるー。
「え、えっと、そのー」
「ちゃんと正直に言わないと、お尻ペンペンどころじゃすまないぞ」
ギョェー、パパ怖い。
「ごめんなさい、ごめんなさい。ちゃんと話します。ごめんなさい。だからお尻は叩いちゃやだぁ」
「話の内容によってだな。まずはどこに行ってた?なんでこんな夜中に出歩いた?あぁ?ちゃんとパパにわかるように説明するんだ。まずはそこに座りなさい」
本当に怒ってるー、怖い。
こんなに怒ったパパは初めて。
ごめんなさい。祐仁さん。約束守れないや、パパには話すよ。




