264話 ペットボトルの使い方
「こんばんわ、お邪魔しまーす」
········あれ?祐仁さん?·····いない。
「んん?カイト、また来てくれたのか?」
あらー、寝ていたの?
起こしちゃったかな?
ごめんなさーい。
あれ?でも、今の祐仁さんって霊体じゃないの?寝るんだ。
「はい、来ちゃいました。祐仁さん、寝てましたか?こんな夜に来てごめんなさい」
「いや、大丈夫だ。生前の早寝早起きの癖みたいなものだ、気にしないでいい」
あー、なるほどー!
「分かりました、ありがとうございます。今日は教えて欲しいことがあって来ました」
「私に教えて欲しいこと?どんな事だね?」
「あの、これっ」
ボクはペットボトルを祐仁さんに見せる。
「ああ、懐かしいな。ペットボトルだな。まだあったんだな。」
「あのっ、このペットボトルの使い方を教えて欲しくて今日ここに来ました、教えて下さい」
「ん?水を入れる、傷や怪我に振りかける、これだけだが?」
いや、もっと具体的にー!
「えっと、聞きたいのはいくつかあって、水はどれくらい入れたらいいですか?」
「ああ、9割くらいだな」
「それと、入れたらすぐ聖水に変化するのか?変化するとしたら、どれくらいの時間がかかるのとか?もしかしたら使えるようになるための待ち時間とかあるのかな?とか、この辺はどうですか?」
「ああ、ペットボトルに水を入れて、蓋をして、上下に、そうだな、上下に5回くらい振るといい。開けるとは気をつけるんだ、プシューとしてくるからな」
「炭酸?」
「あ、そうだ、そんな感じだ」
「ペットボトルを蓋をして上下に振ると泡が発生するんだよ、だから振ったあと泡が落ち着くまで待たないといけない。そうだな、1分くらいか」
覚えておかないといけない。使い方は炭酸だね。
「傷や怪我にはそのまま水を掛けた方がいいですか?地球の医療では傷や怪我をした時には、傷口をよく洗浄してから薬を塗ったり、処置をしました。」
「ああ、そうだったな。けど、このペットボトルの水は、傷や怪我に掛けると、治すだけじゃない、振りかけたら最初に洗浄までしてくれるぞ。」
おー、めちゃくちゃ便利。チートだな。
考えていた通りだけど、凄すぎる。
「ありがとうございます。凄い機能ですね」
これはしっかり覚えとかなきゃいけないね。
「ああ、壊れもしない。盗まれても必ず翌日には手元に戻ってきた。」
「《《翌日》》に戻って来るんですね。」
これもしっかり覚えておかなきゃいけないリスト2だ。
「それと、ボクはこのペットボトルを使って、怪我や傷を治したいんです。ボクに使えますか?」
「ああ、問題ない。カイトも稀人だから」
よしっ!ボクも使える、良かった。
そうだ、聞かなきゃ。
「この水は飲めますか?」
ん?なんでここで渋い顔してるの?
「いや、飲むには飲めるんだが」
ん?飲めるならなんでそんなに渋い顔してるの?
「飲めるんですよね?」
「中々な刺激が強すぎて、飲み込めない。あとはかなーり辛い、喉が焼けるようだったな」
刺激が強い?辛い?
もしかしてこのペットボトルの聖水を掛けたら、しばらく寝てるって言っていたのって、あれ、炭酸と辛さの刺激で気絶してるんじゃない?
ボクが快斗として生きていた時代には炭酸水があった。もしかして祐仁さんが地球で生きていた時代は炭酸水はなかった?




