261話 王家の秘蔵庫と祐仁の遺品
「そうです。陛下も王妃様も落ち着いてください」
そうそう。
「お待ちになって。その、キノセイ様がイカルダの女神様の怒りに触れたのは、何をしてですの?」
宰相んちのおばあちゃん、いい着眼点!
「ああ、実はなんでもイカルダの女神様をキノセイ様が100年からかったから、らしいです」
「「「「一体何をしたんだ(の?)」」」」
「その理由は聞けていません。イカルダの女神様に伝言を頼まれているようです。「キノセイは十分に反省しています」ってカイトからイカルダの女神様に明日伝えることになってます。」
「それとイカルダの女神様の許しをいただくには稀人を助けることも条件に入っているようで、今後カイトの助けになるようです。カイトの護衛にはキノセイ様もついていていただけるのです。だから、あまりカイトの心配はいらないのかもと考えています。」
「それはいいな」
「それで?キノセイ様はどんなお姿なんだ?」
「はい、白い猫です」
「「「「猫?」」」」
「なんですって?猫が子どもを守れるっていうの?」
「あ、はい!パパが見たのは白い猫だけどそれは違うの。本当は白虎なの。ボクが怖がったから小さくなってくれたの」
「なるほど。白虎。どんなものかお会いしたいですな。伝説の幻獣ですぞ、実在したとは、なんて素晴らしい」
宰相のおじいちゃーん、おーい。
キョロキョロしてもここにはいないよ。
「虎、ですの?どんなものか分かりませんわ」
いつか会えるといいねー。
「なるほど。幻獣の白虎なんだな、カイトを守って助けてくれるのだな。わかった。では、カイトは稀人ではあるが、ひとまずは【イカルダの女神様の愛し子】としていこう、皆、それで良いな」
「「「「「はい」」」」」
やっと落ち着いたー。王位も継がなくていいし、今までのように自由にできるって、良かったー。
「ありがとうございます」
ボクはみんなに向けて笑顔で挨拶する。
陛下のおじいちゃんはボクの頭を、パパと同じように撫でてくれる。
「さて、では、落ちついたかな」
ボクを膝から下ろし、立ち上がりながら宰相のおじいちゃんに目配せをする。
おじいちゃん達は、首から下げたネックレスを取りだした。なにやら対の鍵みたい。
「では、これから王家の秘蔵の蔵にいくとする。」
部屋に入ってから気になっていた祐仁さんの大きな肖像画。
ボクたちを見守ってるように優しく笑っている顔してる。
その肖像画の祐仁さんは「よっ」って感じに手を開いている。そこに陛下のおじいちゃんが手を合わせると、びっくり。
急に肖像画がスライドして隠し扉があった。
そこには手形が左右壁にあって、右を陛下のおじいちゃんが合わせ、左を宰相のおじいちゃんが手を合わせた。すると手形が光り、鍵穴が出現。その鍵穴に、おじいちゃん達は首にかけてある鍵を差し込んだ。
二人で顔を見合せ、頷くと同時に鍵を回す。すると隠し扉がうっすらと消えていく感じでその奥の部屋が現れた。
おおー、ファンタジーきたー。
久しぶりにきたー。
「では、入るとするか」
先におじいちゃん達、次におばあちゃん達、そして最後にパパとボク。
なんだろ、中は質素なのよ。
もっとなんか、すごーいって思えるような物が何も無いの。
あ、これ漫画?もうすぐわかった。あれあれ海賊船に乗って仲間がいて主人公が変な実食べてしまうやつ。あれは前世で大人気だった。ボクも好きだった、これは覚えてる懐かしい。
本もあるじゃん。「モテる男になるには話術から」あー、これは読みたい。
ん?気づいたら、みんなボクを見てる。
ん?
「カイト、やっぱりこの本が読めるんだな?これはなんて書いてあるんだ?なんかの文献か?」
いやいや、違う。
「なんだ?それとも、国家機密が書いてあるのか?」
いやいや、全然、違うって。
「ちがうよ。聞いたらきっとガッカリすると思う。」
「なんだ、気になるな、パパ達に教えてくれ」
期待してるとこ悪いけど。
「これは、「モテる男になるには話術から」って書いてあるの。祐仁さん、よっぽど女性にモテたかったんだね」
って、え?みんなとどうしたの?
鳩が豆鉄砲食らった時みたいな顔してるけど?ん?
「ああ、そうでしたか。なるほど」
「なんだ、国家機密にする必要はなかったな」
だねー!
あ、あれ、ペットボトル?




